ごはん食に関する医学的 栄養学的研究調査結果
研究調査一覧
ごはん量をベースとする食事の適量摂取教育に関する研究 その2 思春期
女子栄養大学 栄養学部 教授 足立己幸
分担研究者:高知大学教育学部 教授 針谷順子、女子栄養大学 吉岡有紀子
研究の目的

高校生を含む思春期の子どもは質的、量的に充実した食事が必要とされる時期でありながら、国民栄養調査結果でも、欠食等による健康、栄養上の問題が深刻である。高校生は多くの場合、給食がなくなるので昼食等自分で食事を選択する機会が拡大する。また家庭科や保健・体育等教科での食事や健康に関する系統的な学習の最後の機会でもあり、家族からの自立に向けて健全な食事観や健康観の形成にとって重要なライフステージである。当然のことながら高校生は次世代の担い手でもあり、加えて日本の食文化の継承、発展の方向性が決定づけられることにもなる。
従って、思春期の子ども達は、ごはん量をベースにする食事の適量摂取教育の重要なターゲットである。
そこで本研究の目的は、思春期の子どもの栄養・健康の向上を目標として、ごはん量をベースとする食事の適量摂取教育プログラム「お弁当箱ダイエット法」による高校生への教育介入をし、その効果を明らかにする。同様に前年度実施の中高年女性を対象とした本プログラムの異なるライフステージへの対応の可能性の検討と、その実行可能性及び有効性を検討する。なお、思春期の子どもの栄養・健康状態とこれらに関わる食知識・食態度・食行動について、これらの関係性を明らかにした資料は少なく、これらのデータを得ることも目的に含むものとする。
本論は具体的には、高校生を学習者とし、以下の3つの研究によって構成した。ごはん量をベースとする適量摂取教育「お弁当箱ダイエット法」による教育介入による、1)食情報のニーズの変化(研究I)と、2)インターネットによる学習支援を前提とした「お弁当箱ダイエット法」の実行可能性と有効性(研究II)、食事・健康情報源と食事内容及び知識・態度・行動とこれらの関連(研究III)を明らかにする。

研究I.「お弁当箱ダイエット法」による教育介入における食情報のニーズの変化
1. 目 的
 

通常の高等学校の家庭科の講義形式の授業に「料理選択型栄養教育」を基礎とした「お弁当箱ダイエット法」をとり入れた教育介入をし、その前後の食情報のニーズ変化を、従来の「栄養素・食材料選択型栄養教育」との比較で明らかにし、本プログラムの食事の適量摂取の自主学習の動機付けとしての有効性を検討する。


2. 方 法
(1)研究の計画(図I−1表I−1
1)

学習者は高知市T高等学校の3年生、在籍者数217名中介入群(以下テスト群と略す)74名中、前後の調査に回答した者60名(男子38名、女子22名)、非介入群(以下コントロール群)は143名中103名(男子65名、女子38名)計163名であり、実施期間は2001年11月中旬から12月中旬までの1ヶ月で、事前調査を含む50分4回(4週間)の授業である。

2) 調査内容
1

1日の食物摂取状況−スケッチ法により1日の食事内容、食事時刻、共食形態を自記式記入法により回答を求めた。これはテスト群についてのみプログラムの開始の2週間前に実施した(図I−2参照)。

2

食生態調査、食行動、食行動の要因(知識や態度)、食情報に関するニーズ等−質問紙票を用い、自記式記入法で第2回目に授業で、本プログラムの開始前(介入前)と4回目(介入後)に実施した。なお、コントロール群には同時期に同内容の調査を実施した。

3) 学習者の特性

学習者は高校3年生で大学受験が始まり、心身ともに厳しい時期で、受験のため欠席は通常より多くみられた。自宅通学は93.5%、クラブは運動部47.5%、文化部19.8%計77.3%が加入していた。
食事づくりの参加状況は、全くしていない者の割合が高い項は「食事計画(献立作成)」で60.1%、逆に参加していた内容は、「後片付け」で85%の者が「よくしていた」と回答した。調理経験はごはん、目玉焼きは80%以上が「ある」としたが、ほうれん草のお浸しは経験の「ある」者は26.0%と低率であった。


(2)ごはん量をベースにする食事の適量摂取教育の流れ
 

本プログラムは通常の家庭科の授業で実施した。該当校はクラスは通常のクラスが2つに分かれ、1クラス約25名で営まれていた。テスト群が食生活の食物領域で本プログラムを「料理選択型栄養教育」に基づく「お弁当箱ダイエット法」のプログラムに従い、ごはん量をベースにした適量摂取教育を、50分授業を3回3週間に渡って学習した。
クラスの半分(コントロール群)は食物領域の学習を終えて、家庭経済の領域を学習した。食物領域は、食事計画で食品群とその重量を基礎理論とした「食材料選択型」である。
学習目標は以下である。
1回目:自分の食生活・食事のセルフチェックより実態把握をすることができる。食事スケッチを基に自分自身の食生活を振り返る(食物摂取状況と食事の時間、場所、共食状況等食事の摂り方をセルフチェック)。
2回目:料理−食材料−栄養素のつながりより「料理選択型栄養教育」の指標を学習し、“適量で栄養バランスのよい”食事を構成する学習方法である「お弁当箱ダイエット法」がわかる。1自分自身の食事の実態把握を行う。2実態把握より、望ましい料理の組み合わせを理解する。
3回目:「お弁当箱ダイエット法」を活用して1食単位の食事を構成することができ、日常生活の中で活用できるという自己効力感を高める。1適量で栄養バランスのよい食事を構成する学習方法である「お弁当箱ダイエット法」について学習する。2「お弁当箱ダイエット法」を用いて日常で食べている市販弁当等の点検を行う。3自分の食生活と結びつく。4「お弁当箱ダイエット法」を用いて1食の食事(夕食)を構成する。
授業開始前に実施した1日の食事スケッチは、摂取栄養量について個々人の所要量に対する充足率を算出して、1回目の授業に食事スケッチと合わせて返却し、食生活及び食事のセルフチェックの教材として用いた。栄養量の算出は「料理成分表」により、料理単位でエネルギーや栄養素が区分できるようにした。
残るクラスのコントロール群は同時平行して「家庭経済」の他の領域の授業が進められていたが、介入前後の食生態調査は同時期に実施した。


(3)解析方法
 

介入前後の変化は対応のあるt検定、ウィルコクスンの検定を、テスト群とコントロール群、及び男女差についてはt検定、12検定を用いた。


3. 結果と考察
(1)食物摂取状況(表I−2
 

朝・昼・夕食別にみると、主食・主菜・副菜の組み合わせ−食事構成は食事によってその構成が異なる。食物摂取状況調査はテスト群についてのみ行った。
主食・主菜・副菜の3種が揃った食事は、朝食では男子13.1%、女子18.1%、同様に昼食は26.4%、45.5%、夕食は26.4%、27.2%である。男子では、昼、夕食が同率ではあるが、総じて男女ともに最も高率を占めるのは昼食であり、それは弁当であった。
しかし、弁当でない場合は、パンのみ、おにぎりであり、男子では58.8%を占めた。
従って、1日3食のうち、3種揃った食事を3食とも摂っている者は男女ともに0であり、1日のうち2食主食・主菜・副菜が揃った食事を摂っている者は男子21.1%、女子13.6%にすぎない。女子は、1日1食3種揃った食事を摂る者が最高率を占め63.7%、男子で最高率を占めるのは0食、すなわち1日のうち1食も3種揃った食事のない者が57.8%である。昼食の充実、具体的には弁当を持参することが、高校生の食事の向上に不可欠である。
食事の摂り方は、昼食では学校で65.0%が食べているが、夕食でみると、塾、外食、友達の家等家庭以外が計16.7%であった。朝食は家庭で食べた者が76.7%である。


(2)自覚的健康感(表I−3
 

6項目についての自覚的健康感は、テスト群の場合、前値は18点満点中14.4(男子)と14.2(女子)であったが、後値は14.4と14.9となり、女子では有意に高まった。短期間であり、特定の項目の顕著な変化はみられなかったが、女子の場合わずかではあるが全体的に全項目が高値になった。従って健康状態が改善されたと思われる。
コントロール群の場合、後値では男女ともにわずかとはいえ低値となった。


(3)食知識面、食態度・食行動面の介入前後の変化
1) 食知識面(表I−4

食知識は、栄養素、食品群、料理群いずれも3問。1問を正解2点、一部正解を1点、不正解または回答なしを0点とし、得点化した。テスト群は総得点の前値は、男女ともに18点満点中10.1であったが、後値は男子14.3、女子14.4と男女ともに有意に高くなり、栄養素、食品群、料理群のいずれもが高値となった。特に、前、後値に男女差はないが、男子の食知識の向上が著しい。
テスト群はコントロール群に比べて総得点の前値は、男子は同値であったが、女子は有意に低値であった。特に料理群についての知識で差がみられた。この差はコントロール群がすでに食物領域の学習をしていたことによると思われる。後値は男女いずれにおいても有意に高値であった。なお、コントロール群男子の後値では低値となった。

2) 食態度・食行動面

食行動、食行動への意図、食行動への自己効力感について、1食事を楽しむ、2食生活を見直す、3食情報の入手への積極性、4食情報の伝達の各4問を5段階で評価し、計20点満点とし得点化した。
食生活のQOLは食事への満足感、関心、こだわりの3問15点満点とした。
食行動の4項目の計は、テスト群の場合満点20点中前値では、男子は12.8、女子14.8が後値では13.9、15.8と有意に高値となった。
逆に食行動への自己効力感は、男子では20満点中14.4が12.1へ、女子は16.7が12.9へと有意に低下した。
食行動への意図とQOLはおおむね後値は高値になったが、有意な差は認められなかった。
コントロール群の場合、前後値はほぼ同値で変化はみられなかった。


(4)介入前後の食情報のニーズの変化(表I−5
 

適量で栄養バランスのよい食事について、栄養素、食材料、料理、食卓の4つのレベルで、つくる、食べる、食生活を営む力の継承の側面から食情報のニーズの変化をみた。
テスト群はほぼ全項目で前値に比べ後値で高値となり、事後に食情報のニーズが高まった。女子では栄養素と料理のレベルをつくるための食情報へのニーズが有意に高まった。男子は、つくる、食べること、継承のいずれの側面も高値を示す項が大半で、特に食材料、料理レベルにおける食べる、継承の側面の変化が著しく、総じて男子のニーズの変化が顕著であった。
授業後の感想では、「はじめて具体的に自分自身の食事について考えたり(計画)、評価した」、「食事には関心がないが、卒業後1人暮らしになってもちゃんと食べたい」等、特に男子での発見は、知識や意識、態度内容が多くみられ、ニーズの変化と一致していた。女子では、食事をつくるための情報についてのニーズが高く、「安価で、手軽で、簡単に、おいしくて、栄養的な料理の作り方を知りたい」との回答が多出し、料理レベルのつくる面での変化と一致していた。
コントロール群では後値で低値になる項目があり、学習後の経過による食態度、食行動の低下が示唆された。


(5)主食の摂取状況及び主食についての知識、態度の変化(表I−6−1)表I−6−2)表I−6−3)表I−6−4)表I−6−5)表I−6−6)
 

主食を3食食べている者は71.7%で、白飯は1食が最も多く36.7%を占めた。喫食率、白飯率の最も高い夕食をみると、白飯は48.3%を占めた。白飯以外のごはん料理20.0%、白飯やごはん料理を含む主食2品10.0%で、これらを合計すると、ごはんの喫食率は70.3%であった。
1日の摂取エネルギーは、全体(男女計)の平均値は1,845±494kcalと低値で、男女差は約20kcalとほぼ同値である。夕食は667±224kcalで1日のうちの36.2%を占め、主食料理は443±215kcalで夕食の66.4%を占めた。
主食形態別のエネルギーでは、白飯の全体の平均値は383±195kcalで、約240gに相当する。男女差が著しく、男子では435±204kcalで約2膳に相当するが、女子では245±47kcalでしっかり1膳の160gで、女子は男子の1/2量であった。
そして、介入後に理想の夕食像をカード法で計画した結果、主食に白飯をとりあげた者は81.7%(ごはん料理を含めると90%以上)を占め、主食量を日常の摂取量より意識的に多くしたとした者は15.0%となり、主食・主菜・副菜を揃え、栄養素や料理バランスに配慮した食事を計画した者は男女ともほぼ同値で90%となった。
介入前後の主食についての認識は、主食料理を正しく理解した者が介入前には40%であったが介入後には90%となりそのほぼ全員が白飯をあげた。また、米の摂取目安量は本授業中は学習内容に含めなかったが、介入後に正しく回答した者が13.3%いた。
1日の食事量(エネルギー所要量)を正しく理解していた者も介入後には88.3%(介入前6.7%)といずれも有意な認識の変化となった。

通常の3回の家庭科の授業で、高校生に対して「料理選択型栄養教育」を基礎理論に、主食・主菜・副菜の組み合わせとその量のバランスについて学習支援した結果、学習者(高校生)は日常の食物摂取状況が低栄養状態である実態をふまえて、食事に関する一般的な食情報へのニーズが特に男子において高まり、食事量及び主食量への知識や態度の有効な変化が確認できた。

研究II.「お弁当箱ダイエット法」の実行可能性と有効性の検討
1. 目 的
 

本論は研究Iで一般授業における「お弁当箱ダイエット法」の食知識面での介入効果が明らかになった。そして、高校生の食事・健康改善に大きな位置を占めており、かつ動機付けとしての役割が期待できる昼食・弁当に注目して、筆者らが平成12年度に実施した「お弁当箱ダイエット法」のプログラムを実施し、高校生にとっての「お弁当箱ダイエット法」の実行可能性を検討する。合わせて、インターネットによる学習支援のための本プログラムの検討も行うこととした。


2. 方 法
(1)研究の計画
 

「お弁当箱ダイエット法」は、高知県高知県立M高等学校生20名と東京N大学附属高等学校生5名の計25名、いずれも女子生徒に実施した。本報はM高校生20名中「お弁当箱ダイエット法」を1週間実施した16名の結果を中心に報告する。

1) プログラムの内容

本プログラムは以下の内容で構成される。
本プログラムは、協力校の家庭科教師と内容、実施方法を協議した。生徒への説明会と学習者の募集は、協力校の教師が行った。
「お弁当箱ダイエット法」の学習会への参加1回(食習慣チェック等のアセスメントを兼ねた−基礎レクチャーと1弁当の構想、2それに基づいて弁当を整える演習、3試食等による自己評価)と「お弁当箱ダイエット法」の実践に参加することである。「お弁当箱ダイエット法」は、日常の暮らしの中で、これまで各自の生活スタイルに合わせて実施する。4日間以上1週間を目安として各自が実施日、日数を決めて実施する。「お弁当箱ダイエット法」を実施した日は、写真で記録すること、但し弁当については弁当のスケッチも描き、1週間後にスタッフへ提出することとした。
学習会の開始前と1週間後に同内容の食生態調査、食物摂取状況調査、体格測定を実施する。

2) 実施期間

実施期間は2002年2月中旬の説明会から、実施1週間後の3月上旬までの約30日である。

3) 調査及び検査内容
1 食生態調査

日常の食物摂取状況、食行動、食行動の要因(知識、態度)、食情報のニーズ等を質問紙を用い自記式記入法で実施し、調査票はスタッフが確認して回収した。なお、学習会は学習者の理解度や実践の可能性を確認するために4名1グループとして、1名の家庭科教員免許取得学生(教育学部4回生)が行動観察をした。

2 身体計測

身長、体重、体脂肪率を測定した。実施期間中は歩数計により歩数量の記録を求めた。

4) 学習者の特性

学習者は、高知県K市にある県立M高等学校の家政科2年生(女子生徒)16名である。
クラブには文化部に80.0%が加入し、塾等には86.7%が通っていないが、アルバイトをする者が40.0%を占める。日常の食生活では「いつも欠食をする」者が2名いたが、食事の時、主食、主菜、副菜が「ない」とする者は0であった。
なお、学校のある日の昼食は家から弁当を持参する者は66.7%で、売店で買って食べる者は40.0%であった。飲み物は家から持参する者は26.7%だが、学校のお茶や水ですませる者が33.4%で、学校内外で購入している者は約半数であった。

5) 「お弁当ダイエット法」プログラムの流れ

学習プログラムは平成12年度、中高年で実践したプログラムを基に、学習者の食事、食習慣をふまえて実践に直結する内容に工夫した。
学習プログラムの目標は(1)学習者自身が自分にとっての適量でバランスのよい食事(1食量)を弁当箱の容量とその面積比による主食・主菜・副菜料理の組み合わせを把握することができること、(2)学習者が日常の食事でそれを実践するための自己効力感を高めること、学習者が楽しく、手軽に実践することによって、食事の改善や生活の質を向上させること、である。
変更点の1つは多様なニーズ持つ高校生の参加を容易にするために、事前調査や記録法の練習日を設けずに当日参加したことである。2つには、食物の充足率−すなわち適正サイズの弁当箱容量(ml)の70%(少なくとも60%)を目安に詰める技術について、意識的、積極的な援助をしたことである。演習用に用いた料理は、主食(白飯)1、主菜5、副菜7、もう一品4である。
なお、ルール4項は下記の通りである。

1)

弁当箱のサイズが1日のエネルギー所要量の1/3とほぼ同サイズ(およそ±50ml)であり、かつ弁当箱サイズ(ml)の70%以上(少なくとも60%)に料理(重量g)が詰まっている。

2)

弁当箱の表面からみて、主食3:主菜1:副菜2の面積比である。

3)

油脂の使用量の多い料理(炒め物、揚げ物、サラダ等)または、塩味の濃い料理(漬物、佃煮等)が重複していない。

4)

弁当の外観が赤、緑、黄、黒(紫)、白色系のうち4色以上の彩りをもち、かつすき間がなく詰められている。

6) 解析方法(図II−1
1 栄養素の算出

摂取食物重量は、食事記録(写真法)による。食事の写真は、20cmのスケールを手前に置いて撮影することとした。弁当(昼食)は原寸大のスケッチ及び弁当の容量を参考に算出した。なお、食事量等の不明な箇所は、面接、ききとり調査をした。栄養素量の算出は五訂日本食品標準成分表による。

2

栄養素等摂取量は五訂日本食品標準成分表により算出した。なお、充足率は第六次改訂日本人の栄養所要量を基準として、年齢、性、身長、生活活動強度を加味し、個人毎に算出した。

3

弁当の栄養素等構成の評価方法─栄養素バランススコアの評点方法─
評価は弁当箱に詰められた食物のエネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、カルシウム、鉄、ビタミンA(栄養素量の算出はレチノール当量)、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCと弁当を整えた者の栄養所要量に対する充足率を基にした栄養素バランススコア(10点満点)を算出した。
栄養素バランススコアの算出は以下のように行った。まず、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、カルシウム、鉄、ビタミンA、B1、B2、Cの10種の栄養素等について、各学習者(弁当を整えた者)の摂取量についての栄養所要量に対する充足率を算出し、これを栄養素摂取率とした。さらに栄養素間のバランス状態を把握しやすいように、次の二つの表現方法を用いた。1取りあげたすべての栄養素について、個人別摂取率または集団別平均摂取率の折線グラフを描く。全体の水準と栄養素間のばらつきを把握しやすいように、一食単位では栄養素摂取率25%(1日の1/4のレベル)と50%(同1/2のレベル)に補助線を入れる。同じく一日単位では90%と130%に補助線を入れた。21でとらえた栄養素摂取率全体の水準とばらつきを数量的に表現するために、1の補助線で囲まれる内側を栄養素摂取率の適正域とし、適正域内に入る栄養素の数をそのまま適正域スコア(点)と表現した。
レベル別弁当の栄養素等構成の分析には一元配置分散分析とボンフェローニの多重比較を用いた。
アンケートの解析は、前後差はウィルコクスン検定、t検定、12検定を用いた。


3. 結果と考察
(1)学習会の「お弁当箱ダイエット法」の理解状況(表II−1−1)表II−1−2)
 

結果は、学習会時の学習者の行動観察記録から「お弁当箱ダイエット法」のルール4項の理解状況を、弁当を(1)設計、(2)整える、(3)評価のプロセスを追って確認した。

1

弁当の設計段階では、ルール4項の基本は理解したものの、実際の料理を各自の好みで自由に組み合わせる場合に、充填率(重量)、料理数と主食3:主菜1:副菜2の面積と自分の嗜好をどう調和させるか等、ルールを重層的に適用する難しさがあることが確認できる。

2

弁当を整える段階では、ルール1の充填率60%以上を確保するためにすき間なくしっかり詰めることがポイントとなる。この点については、これまでの研究で明らかにしてきたこともあり、強化したプログラムによる積極的な支援が実施結果からみて効果的であった。

3

整えた弁当をみて、食べてチェックする段階では、グループ、友達同士の学び合いや日常の弁当と比較−主食が少なく、主菜が多いこと、油の使用量の多い料理が多い、副菜が少ない等−ができ、ルール4項の確認となった。


(2)「お弁当箱ダイエット法」実施状況(表II−2
 

学習会に参加した20名のうち、17名は1週間の実施に参加した。1週間後17名のうち1名は風邪のため欠席し、前後に参加したものは16名であった。16名のうち、「お弁当箱ダイエット法」の記録をする等の実践をした者は15名であった。15名のうち目標とした4日以上の実施ができたのは8名で、最大6日、最小2日、平均は3.7±1.1日であった。弁当のある日は最大6日、最小2日であった。なお、1名は1日に2食作った者がいたが、平均5.0±1.3日であった。歩数量は7日間全て記録した者は11名おり、残る4名も歩数計のトラブル等によるもので、結果は平均6.4日1人1日当たり7,183.3であった。
提出時に「弁当をつくるのが楽しかった」と15名中10名が報告し、歩数量については、“1日「1万歩」が目標でしょう”と参加者は歩(動)いていないことを自己確認しながら強い関心を持っていた。


(3)「お弁当箱ダイエット法」実施状況−整えた弁当の食数(表II−3写真II−1
 

16名のうち13名は弁当を4食以上整え、最大値はDの7食、最小値はNの2食であった。「お弁当箱ダイエット法」ルール4項に従って、4つのルールをクリアしたレベル4の弁当は35食46.7%、ルール3までクリアしたレベル3の弁当は0食、ルール2までクリアしたレベル2の弁当は10食13.3%、ルール1までのレベル1は30食40.0%であった。整えられた弁当は、食物量(充填率)は60%と越えていたが、選んだ弁当のサイズそのものがおおむね小さめであった。
写真はレベル4の弁当例である。演習に用いた料理が多くみられるが、授業の少ない期間でもあり、参加者はほとんどの料理をつくり、整えていた。Jは、3食しか作らなかったが、640mlの弁当箱を 600mlがぴったりのサイズとして、弁当箱を変更して整えていた。


(4)介入前後の食物摂取状況の変化(表II−4−1)表II−4−2)表II−4−3)表II−4−4)図II−2
 
1

介入前後の食事・料理の組み合わせの変化を、学習会の前日を事前とし、実施期間の最後の日を事後として比較した。
朝・昼・夕食別の料理構成は、事後は休みの日で、欠食が多くみられたが、3種揃った食事が事前は9食であったが、事後には20食となった。また、1日の食事構成では3食とも主食・主菜・副菜が揃った者は事前0名から事後では3名となり、0食すなわち1日のうち1食も3種揃った食事がない者は9名から3名に減少し、食事内容が改善される傾向がみられた。

2 介入前後の栄養素摂取状況の変化

学習会前日の食事を介入前、「お弁当箱ダイエット法」の実施期間の食事を介入後とした。解析対象日は「お弁当箱ダイエット法」の実施した日で、かつ弁当(昼食)だけではなく、他の食事の写真記録のある日とした。最大は6日、最小は2日の平均3.7±1.1日であった。
摂取栄養素量は、介入後は介入前に比べ全体的に低値になった。上記の通り、副菜のある食事数が増えたことにより、鉄、レチノール当量、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、食物繊維は高値となったが、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、カルシウムは低値となった。低値とはいえ、エネルギーは充足率介入前113.6%から介入後107.8%に、たんぱく質は112.6%から111.2%に、脂質は142.3%から134.4%と所要量に近値となった。しかし、炭水化物は95.8%からさらに90.3%と低値となった。
但し、炭水化物の中でも、めし摂取量は1人1日当り、介入前278.4±139.3gから340.9±132.0gに有意に増加した。1食当たりにすると、平均でも155.9±26.6gから179.8±37.0gと、しっかり1膳(160g)からやや大盛り1膳(180g)に変化したことになる。
なお、カルシウムは介入前でも低値であったものが、わずかとはいえ、さらに摂取量が低下しており今後のプログラムや支援上の課題である。

3 介入前後の昼食(弁当)の変化

介入前後の昼食(弁当)は、充足率130%以上の摂取過多が多くみられた脂質が有意に低値となり、レチノール当量は有意に高値となった。栄養バランスは過多域スコアで介入前1.0±1.3が介入後0.5±0.9と低値となり相対的に良好になった。適正域スコアは、5.7±1.6(10点満点中)から6.9±1.8と優位に高値になった。バランススコア7以上は、介入前15食中5食33.3%であったものが、介入後には46食中75食61.3%と高くなった。


(5)健康面・身体面の変化(表II−5表II−6
 

自覚的健康感は6項目のうち「だるくなりやすい」1.9±0.6が2.1±0.7(満点3点)と、「風邪をひきやすい」2.2±0.8が2.6±0.6と有意に高値となり、6項目の計13.1±2.2が13.7±1.9(満点18点)と高まった。
なお、身体面の変化では、BMIで前値に比べて後値が同値であった者は1名、適正値(BMI=22)に近値となった者が8名であった。
体脂肪率が低下した者が12名と短期間ではあったが良好な変化がみられた。


(6)介入前後の食知識面の変化(表II−7
 

自分自身の1日のエネルギー所要量を知っていると回答した者は、事前では40.0%で全員正しく理解していた。直後すなわち学習会直後にも100.0%正解し、事後には93.3%となった。事前に比べて、直後、事後ともに有意に高まった。
主食・主菜・副菜の正解者率は、主食では前値86.7%から直後100.0%、事後93.3%で、事後では1名を除く全員が理解していた。主菜では前値60.0%から直後、事後86.7%にやや高まった。副菜では事前60.0%が直後は100.0%に、事後では93.3%となり有意な変化となった。


(7)介入前後の食態度、食行動面の変化(表II−8
 

「自分の体や気持ちにとってちょうど良い食事の食べ方やエネルギーを知ること」についての食行動への意図や自己効力感は、ともに直後では高まったが事後ではやや低下した。しかし、食行動では、直後、事後ともに有意に高くなった。また、「食生活を見直す」の自己効力感では、「とても/よく」や「少し」できる者が80%を上回り有意に高くなった。「現在の食生活に満足しているか」でも、「していない」とした者がいなくなり、事後では、「とても」20.0%、「まあまあ」66.7%、計86.7%(事前60.0%)となり、有意な変化となった。


(8)「お弁当箱ダイエット法」の取り組みへの自己評価(表II−9
 

「内容の理解」2.9±0.4(3点満点中)、「取り組みへの積極性」2.7±0.5、「取り組みの楽しさ」2.7±0.5であり、「お弁当箱ダイエット法」について、15名ほぼ全員がよく理解し、積極的に楽しく実践したことが確認できた。家族への働きかけは2.2±0.9と半数が積極的に働きかけをしたが、休み期間でもあり、友人への働きかけは1.3±0.6とほとんどされてなかった。


(9)情報入手に関する食態度、食行動面の変化
 

項目にあげた10項目は6項目は食生活指針から、3項目は昼食の食物選択を規定して、商品の内容、安全性、栄養面、ダイエットについて情報入手のニーズ、自己効力感と現在の入手状況について介入前後の変化をみた。
情報入手のニーズは、全体的に「あまり」が低下し、「とても」や「少し」の高位の割合が高率にはなったが、有意な変化はみられなかった。
情報入手への自己効力感では、a「1日の食事リズムから健やかな生活リズムをつくるための情報」、b「主食・主菜・副菜を基本に、食事のバランスを整えるための情報」、「野菜・果物、牛乳・乳製品、豆類、魚等を組み合わせるための情報」で直後に有意に高まったが、事後にはやや低下し、前後での有意な変化にはならなかった。しかし、全体の平均得点では、事前20.8±4.1から直後24.3±4.1、事後25.8±3.2と有意に高まった。実際の入手状況では、事後でも、上記のa、bと食事の安全性、食事の栄養面で有意な変化となった。加えて、直後に高まった食事の地域性や文化面、食事の調理面についても、事後にやや低下したものの良好な変化が伺われた。全体の平均得点でも同様に、事前16.5±3.1から直後21.4±4.1、事後21.2±4.3と有意に高まった。


(10)食事、健康等に関する情報源について(表II−10表II−11
 

食事、健康、飲み物について個人別に主に情報源にとしているところをみるとそれぞれの構成に違いがみられた。
食事については、親や友人等の「パーソナル」33.3%とテレビ等の「マスコミ」26.7%が高率で、健康は「マスコミ」が60.0%と約2/3を占め、飲み物の飲用行動に関する情報は、「パーソナル」は0となり、「マスコミ」60.0%、「店」33.3%を主な情報源としていた者が高率を占めた。インターネットの活用状況は現在7名46.7%だが、「これからインターネットをしたいと思うか」では「とてもしたい」40.0%、「まあまあしたい」46.7%と過半数の学習者が活用の意向を持っていた。

研究III.食生活に関する情報源と食事、及び知識、態度、行動との関連
1. 目 的
 

本研究は、高校生の食生活や健康に関する情報源について明らかにし、それら情報源と食生活や健康に関する知識、態度、行動との関連、これらの反映としての食物摂取との関連を明らかにし、現代の高校生の各々のライフスタイルを視野に入れた食情報提供の可能性を検討する。


2. 調査対象
 

埼玉県内県立A高等学校2年9クラス252名(男子129名、女子123名)。B高等学校2年9クラス女子140名合計392名である。
なお、食物摂取状況についてはB高等学校のみ実施した。


3. 調査時期
 

平成13年11月上旬


4. 調査内容
(1)

食生活、健康等の知識、態度、行動に関する質問紙調査

(2)

1日の食物摂取状況(スケッチ法を含む):食事内容をスケッチし、料理名、食材料、おおよその重量、食事時刻、共食状況等を記入できるようになっている。


5. 調査方法
(1)

質問紙調査:各組の教室において調査員が調査の説明を行い、留め置き法にて自記式記入法で行い、調査員が確認して回収した。

(2)

1日の食物摂取状況:各組の教室において、調査日の前日に調査員が記入方法等の説明を行い、留め置き法にて自記式記入法で記録、回収した食事記録はトレーニングを受けた調査員が面接または質問表にて再度確認を行った。


6. 解析方法
 

クロス集計には12検定を、平均値の差の検定には分散分析ならびにt検定をSPSS10.1で行った。


7. 結 果

(1)食生活や健康に関する情報源(表III−1
 

食生活に関する情報源:全体合計では1位はパーソナルな情報である親からの情報(以下親)(40.8%)、2位はマスコミからの情報であるテレビ、雑誌等の広告(以下広告)(21.5%)、3位も同様テレビやラジオの番組からの情報(以下番組)(13.9%)、ついで4位は飲食店・食料品店からの情報のコンビニエンスストアからの情報(以下コンビニエンスストア)(9.9%)であり、この4つの情報で全体の約86%を占めた。男女別にみると、上位を占める情報源は同様であったが、その順位やそれぞれの比率は男女で有意に異なった(p=0.05)。すなわち、男子では親からの情報(39.5%)、広告(20.2%)、 コンビニエンスストア(16.3%)からの情報があがり、次いで番組(14.7%)であったのに対し、女子ではA校B校ともに親(A校44.7%・B校38.6%・以下同順)、広告(23.6%・20.7%)、番組(10.7%・16.4%)、コンビニエンスストア(6.5%・6.4%)であり、特にコンビニエンスストアで異なる傾向を示した。女子の高校別については有意な差は確認されなかったため、女子については女子合計として解析した。
各々の情報源を次の3つに分類した。すなわち親、親以外の大人、保健室の先生、医者や歯科医からの情報をパーソナルな情報(以下パーソナル)、広告、番組、雑誌からの情報をマスコミによる情報(マスコミ)、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ファーストフード、ファミリーレストラン、その他の飲食店からの情報を飲食店・食料品店からの情報(以下店)である。それぞれの比率は男女別に(男子パーソナル41.1%マスコミ35.7%店23.3%以下同順、A校女子45.5%44.0%10.5%、B校女子40.7%46.4%12.8%)有意に異なった(p=0.05)。
健康に関する情報源:3つに分類した情報源の順位は男女とも食生活に関する情報源と異なった。すなわち1位からマスコミ、パーソナル、店(男子マスコミ54.0%・パーソナル40.4%・店1.7%、A校女子65.5%・28.2%・0.9%、B校68.1%・21.7%・1.4%)であり、男女間に有意な差はみられなかった。


(2)食生活に関する知識、態度、行動と主観的健康感(表III−2
 

食生活に関する知識、態度、行動、主観的健康感は男女間で有意に異なった。すなわち、「自分に適切な食事量を知っているか」の知識において“よく”“大体知っている”が、態度の中では「自分に適切な食事量を知りたいか」という意図において“とても”“まあまあ知りたい”が、行動では、「ふだん食事で気をつけていることがあるか」の“ある”と、食事づくりの頻度が“毎日”“週に4〜5日”が男子は女子に比べその該当者率が少なかった。主観的健康感についても同様に“とても”“まあまあ健康”が男子は女子に比べ少なかった。女子はいずれも両校とも同様の傾向を示した。


(3)食生活に関する情報源と知識、態度、行動と主観的健康感の関連(表III−3
 

3つに分類した食生活に関する情報源別の3群について知識、態度、行動、主観的健康感を比較した。知識、態度の自己効力感、主観的健康感において3群で有意にその傾向が異なった。すなわちパーソナルはマスコミ、店の両群と比べ、どの項目においても良好な結果だった(p=0.05)。


(4)食生活に関する情報源と栄養素等摂取との関連(表III−4
 

食生活に関する情報源の3群において、パーソナルは他群に比べ、有意に良好な結果がみられた。すなわちパーソナルは主に店に比べ、たんぱく質、カルシウム、マグネシウム、リン、亜鉛、ビタミンB12は充足率が有意に良好であった。


(5)食生活に関する情報源と主食の種類と出現状況との関連(表III−5表III−6
 

食事の中心的な料理である主食に注目しその種類を食生活に関する情報源の3群で比較し、昼食において3群間に有意な違いがみられた。すなわち主食を飯・パン・麺・その他に分類しその該当者率をみるとパーソナルでは飯が大多数を占めて1位、ついでパン、麺、その他であり(77.4%・13.2%・5.7%・3.7%)、マスコミは順位は同様であるがその該当者率が異なり(52.5%・26.2%・16.4%・4.9%)店ではその順位も異なり飯、麺、その他でパンはいなかった(66.7%・0%・22.2%・11.1%)。朝食、夕食については3群ともほぼ同様の傾向で、朝食では飯とパンがほぼ同数、夕食では飯が大多数を占めた。 次に、主食が飯の食事の1日の出現回数では、0回、1回、2回以上の3分類し、その比率は3群間で有意に異なった(p=0.01)。すなわちパーソナルでは2回以上が多く(2回以上74.1%・1回22.2%・0回3.7%)マスコミでは1回が多く(2回以上44.4%・1回49.3%・0回6.3%)、店では2食以上についで3群の中で0回が一番該当者率が高かった(2回以上72.2%・16.7%・11.0%)。


8. 考 察
 

本学習者(高校生)の食事の栄養面について、研究結果で国民栄養調査結果と同様な深刻な実態を確認する中で、弁当を持参する高校生は相対的に良好であり、昼食を充実させることの重要性を確認した。一方で、高校生は日常の自分の食事について栄養バランスをよくするための食情報へのニーズは高いが、これまでの家庭科の内容ではそのニーズにヒットした食情報の提供(一般論ではなく個人にとって有効な情報で、容易に学習でき、日常のライフスタイルの中で実行できる方法について等の情報)がされていないことも捉えられた。
実施したごはん量をベースにする食事の適量摂取教育プログラム「お弁当箱ダイエット法」は高校生にとっても、実践可能で有効な情報として受け止められた。また、高校生の調理能力でも整えられた弁当は、平成12年度の食に関わるボランティア活動をする中高年女性が整えた弁当とごはん量の適正化と栄養素構成はほぼ同程度の結果となり、実行可能性やその有効性が確認できた。しかし、弁当を持参する生徒は、2/3程度で、さらに自分で弁当を整える生徒は小数である。高校生にとって、弁当づくりは、現状では家族の協力なしには実現できない。今後、高校生の栄養・健康状態の現状をふまえ、その改善、向上に有用な情報提供をするために家族や学校への働きかけ(食堂、売店で提供する食物の内容の検討を含む)の方法や内容の検討が課題となる。
さらに高校生がどのような情報源から情報を入手するかといったライフスタイルの一部については男女間でも異なり、また食に関する知識、態度、行動と食物摂取状況と関連がみられたことから、高校生への情報提供において、情報源との関連に注目する情報内容の提供が考慮される必要性とその情報源と内容を有効に食教育に活用する可能性があると考察された。


9. 参考文献
1)

健康・栄養情報研究会:国民栄養の現状 平成11年国民栄養調査、第一出版、2001

2)

矢野由起:家庭科における食生活領域の学習指導(第1報)−大学生の食事選択力と知識、技能、関心−との関連、日本家庭科教育学会誌、第38巻2号、37−42、日本家庭科教育学会、1995

3)

針谷順子:高校生のダイエット志向と食情報の入手状況との関連、(未発表)

4)

針谷順子他:高知県下の高校生の共食形態と摂取栄養量との関連、高知大学教育学部研究報告第2部、第55号、107−123、高知大学教育学部、1998

5)

針谷順子他:大学生の食生活の問題−III−、自炊学生の食事の外国風化と脂肪摂取との関連、高知大学教育学部研究報告第2部、第53号、15−26、高知大学教育学部、1997

6)

足立己幸:料理選択型栄養教育の枠組としての核料理とその構成に関する研究、民族衛生、第50巻第2号、70−107、日本民族衛生学会、1984

7)

八倉巻和子:思春期の食生活の特徴と問題点、栄養日本、第42巻11号、6−11、日本栄養士会、1999

8)

大石希:料理選択型栄養教育を基礎とした高等学校家庭科における栄養教育教材の開発、高知大学教育学研究科修士論文、1998

9)

足立己幸、針谷順子:主食・主菜・副菜料理成分表、群羊社、1992

10)

足立己幸監修:実物大そのまんま料理カード、第1集−手軽な食事編−、群羊社、1994

11)

足立己幸、針谷順子:ごはん量をベースにする食事の適量摂取教育の有効性に関する介入研究、平成12年度ごはん食基礎データ蓄積研究助成研究報告書、2001


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