テーマ:「脂質異常症予防はごはん食から」

筑波大学教授 山田信博先生

脂質異常症は狭心症や心筋梗塞を招く恐れがある

 脂質異常症は、身体に流れている血液中のコレステロールが非常に高くなった状態をいいます。コレステロールなどの脂質が増えたからといって、特に苦痛があったり、自覚症状があったりするわけではありませんが、脂質異常症は動脈硬化を促進し、狭心症や心筋梗塞などの心臓病の引き金になってしまうのです。
 

コレステロール値の増加

 日本の場合はここ30年間をみてみると、お米の消費量はどんどん減少し、逆に、コレステロール値が急激に増加しています(下図参照)。中高年世代ばかりでなく、特に若い世代ではすでに欧米人のコレステロールの平均値を上回りつつあると報告されています。
 

平均血清コレステロール値とお米の消費量の推移
 

 もともと“脂っこい食事が好きだ”という欧米人のコレステロール値よりも、日本人のコレステロール値が高くなってしまっているということ自体驚くべきことといえますが、その最大の原因は生活習慣の欧米化が急激に進んだことにあります。日本ではコレステロールへの認識がまだ十分ではなく、特に若い世代の食習慣というのは、野放し状態と考えられます。このままでいくと、日本人の健康状態、平均寿命が短くなるのではないかということが大変心配になってきています。
 

脂質異常症を防ぐためには?

 脂質異常症の治療・予防のためには生活習慣、その中でも特に食生活の改善が大変大事になります。まず、一番大事なことは、食べる量、エネルギーを調節するということです。その次に食事の質、バランスが大事になってきます。
 糖質の中では、単糖類や二糖類のような甘い物ではなくて、主食である多糖類といわれる炭水化物をしっかりとることが大切です。主食とおかずの比率については、少なくとも5対5にし、主食であるごはんをきちんと食べ、動物性脂肪の多いおかずは減らすことが大事です。