テーマ:「コレステロールの上昇を抑えるごはん食 I」

滋賀医科大学名誉教授 上島弘嗣先生

コレステロール値が上がると心筋梗塞になりやすい!

 最近30代、40代、あるいは20代といった若い人を中心にコレステロール値が上がってきて、そのレベルはすでにアメリカと同じくらいまで上昇してきてしまいました。特に220mg/dl以上は高コレステロール血症といわれていますが、そういう人たちも増えてきたというのが現状です。

日本とアメリカの年齢別血清総コレステロール値(男性)


 コレステロールが増えると、心臓に栄養を送っている血管に動脈硬化が起こりやすくなります。動脈硬化が起こると、そこが詰まってしまい、心筋梗塞という病気を引き起こし、そうすると心臓は弱ってしまうのです。

なぜコレステロール値は上がっているの?

 国民の平均所得が上がってくると、摂取エネルギーのうち脂肪からとる量が増え、炭水化物の摂取量が減ってきます。炭水化物のうちでも、砂糖が増えるという状況になります。また、運動不足が起こります。そうすると、肥満が出てきます。このような食生活の変化と肥満とがコレステロールを上げる原因となるのです。日本もお米が減ってきて、脂肪が増えたという状況が、コレステロールが高くなった要因となっています。

83の国々から見た、脂肪、炭水化物(でんぷん質)、砂糖類摂取割合の関係


コレステロールを下げるにはごはん食!

 コレステロールを下げるためにはやはり脂肪を減らすことが大事です。脂肪を減らすためには炭水化物をとらないといけません。そうすると日本食では、やはりお米をしっかりとり、お米に合う和食の伝統である、魚介類、大豆製品等をとるという食事が、一番望ましく、コレステロールは下がりやすくなります。