トップページ お米と健康 ごはんでヘルシーメニュー お米と文化
お米と文化
テーマの内容 関連する図書等
7日本人ともちの深い関係
7-2 もちの形は丸・角・なまこ!?

 餅の型で分類すると円形、角形、なまこ形に大別できます。さらに、あんなし、あんいり、他の材料をつきこんだかわり餅などがあります。
 円形の餅は、鏡餅や小餅などです。御祝儀に使う紅白の色を重ねた鶴の子餅も丸形です。幼児の初宮詣りの丸餅用に、男児は大、女子は小と紅で書く習わしは、今でも残っています。
 角形の餅というと、のし餅(押し餅)です。少し固くなってから適当な大きさに切ったのが切り餅。
雑煮餅として東日本で広く食べられ、丸小餅を使う西日本では多くはゆでて用いるのに対し、東日本では焼いて使います。のし餅をさいの目に切ったのがあられでこれを炒って食べました。

雑煮
 正月に祝う雑煮餅のことですが、もとは烹雑(ほうぞう、にまぜ)とよばれ、いろいろな材料を一緒にひとつ鍋で煮ました。昔は必ずしも正月だけとは限らず、お祝い事の際に出しました。たとえば将軍のお成りや婚礼の祝い膳に出されました。元旦に雑煮を食べる風習は室町時代からですが、慣習化されるのは江戸時代です。江戸はのし餅を正方に切って焼き、上方は丸小餅をゆでて使いました。雑煮は京生まれの京育ち、本来は味噌のすまし汁でしたが、味噌仕立てが本流になりました。いつのころからか、江戸では醤油のすまし汁仕立てになりました。山陰では出雲から東にかけては、ゆでアズキと餅だけで作る雑煮です。もともとは塩味だけだったようですが、砂糖を加えるようになりました。いわゆるアズキの善哉(東京では田舎しるこという)で祝うのです。ところかわれば品かわるとはこのことです。

 のし餅を菱形に切ると菱餅といいます。3月3日の雛祭に3枚、または5枚を重ね、色は緑(よもぎ)、紅、白が一般的です。5枚重ねは、白、緑、紅、青、黄となります。
 なまこ形(どちらかというと、かまぼこ形)は手で整形することもありますし、多くは竹を縦に割り、その中につきたての餅を入れ冷して固めます。ある程度固くなってから切り餅にし、焼いて食べる方法もありますが、多くは薄く切って干し、保存性を高めます。これを干し餅といい、貯蔵しておいて必要に応じて焼いて食べます。


このホームページに掲載の文章・写真・動画像および音声情報の転載・転用を禁じます。