もくじページへ


イネの苗(なえ)は大きくなるにつれて、つぎつぎに新しい茎(くき)が根元から枝わかれのように増えます。これを「分けつ」といいます。
田んぼとちがい、分けつが進み、苗(なえ)が大きくなると水そうやプランターでは狭(せま)くなってきます。

先のとがった針のような4枚目の葉が出たら、なるべく早い時期に「間引き(まびき)」しましょう。

(せま)い場所にたくさんあっても苗(なえ)は大きく育つことができませんから、太くて元気そうな苗(なえ)を残してあとは抜いてしまいます(苗(なえ)と苗の間かくが20センチぐらいあくように本数を調整します)。間引き(まびき)は元気な苗(なえ)をさらに大きく育てるための工夫(くふう)です。

抜くときには苗(なえ)の根をいためないように、5センチくらいの深さから、手のひらで土ごと苗(なえ)をすくい取る感じで抜いてください。間引き(まびき)で残した苗(なえ)は水そうやプランターの真ん中に移しかえます。

間引き(まびき)した苗(なえ)も、ちがうバケツなどに移しかえれば育てることができます。移しかえる土には化成肥料(かせいひりょう)2gぐらいを混(ま)ぜるのを忘れないでください。移しかえたあとは、水をたっぷりあげておけば2〜3日で新しい根が出て、またぐんぐん育ち始めます。


 
実際のイネの栽培(さいばい)では、苗(なえ)は苗代(なわしろ)で育てられ、適した大きさになると田んぼに移しかえられます。これを田植えといいますが、農家の人は田植えをするために冬のあいだ休んでいた田に肥料をまいて、トラクターで田を掘りおこし、土をくだきます。昔は牛や馬を使っていましたが、今では機械を使います。次に田に水をはってしろかきという作業をします。しろかきをすると、表面の凹凸(おうとつ)がなくなりまた、土が細かくやわらかくなり田植えがしやすくなります。苗は必ず同じ間かくで規則正しく植えられます。そのわけはイネとイネの間を広くとることで大きくなったとき葉が光を受けやすくし、また根が地中に広がりやすくするためです。