テーマ:「ごはん食を楽しく、おいしく食べてダイエット!」

神奈川県立保健福祉大学学長 中村丁次先生

おいしく食べることがダイエットにつながる!

 人間は食物を噛む過程でおいしさを感じます。このおいしいと感じた情報は大脳に伝わり、大脳は次に起こる消化、吸収を準備するための命令を下します。あまりおいしくないと感じた食事はこの命令が出てこないのです。このように身体の伝達に関係して起こるエネルギー消費の増大を食事の「エネルギーの無駄使い」といいます。肥満のカギはここにあるのではないかと最近いわれ始めてきています。日頃、食事をとると身体がポカポカ暖まってくるのは、このエネルギーの無駄使いのせいなのです。このような消費エネルギーの増大はおいしく感じれば大きくなります。例えば、日頃からおいしいと感じている餌を動物に与えますと、食べ物が消化管に入る前からエネルギー消費の増大は高くなります。しかし、おいしさを感じないでチューブを用いて、消化管に食べものを入れると、エネルギー消費の増大は起こらないのです。

味覚によるエネルギー消費量の変化


ごはんをおいしく食べることは、ダイエットに有効!

 食後のエネルギー消費が最も大きいのはたんぱく質です。炭水化物と脂質では、炭水化物のほうが大きいことがわかっています。脂質をほとんど含まず、たんぱく質と炭水化物の多いごはんをおいしく食べることはやせる体質をつくる上で有効です。
 以上のことからエネルギー消費の面から考えても、ごはんはダイエットに有効なのです。