テーマ:「アレルギーを予防する食生活」

岐阜大学名誉教授 近藤直実先生

アレルギー疾患

 最近、アレルギー疾患の方が増えているといわれています。このアレルギー疾患にはいろいろな病気があります。例えば、ゼーゼーヒューヒューという喘息、これは正式には気管支喘息といいます。その他にアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症、食物アレルギーなどがあります。
 もともとこういったアレルギー疾患は、遺伝的要因と環境要因によって発症してくると考えられています。
 そのうち遺伝的要因とは、両親、兄弟のどなたかがアレルギーの疾患をもっているということで、アレルギー素因といいます。いま、このアレルギーの原因になる遺伝子が世界的に幾つか明らかにされてきています。そして、環境要因とは、住環境とか食生活といった日常の生活環境と温暖化など地球規模的環境が関わっています。
 
 

アレルギー疾患の成り立ち

アレルギー疾患の方が増えている理由

 アレルギー疾患の方が増えている理由として、日常の生活環境や地球規模的な環境が、よくない方向に変化しているということが一つの重要な理由だと思います。そして、食生活に関しても、動物性食品を多めにとるという偏った食生活が問題であると思います。

ごはん中心のバランスのとれた食事でアレルギー予防

 アレルギーの予防としては、生活環境をいかに改善するかです。
 住環境では、ほこり、ダニ、カビ、こういったものに対する対策が必要です。食生活に関しては、偏りのない、バランスのとれた食生活が大事です。食生活の中でお米は、日本人が古来から食してきたもので、よいものは淘汰されません。
 朝食の定食ものとかお寿司などを考えていただくとわかると思いますが、お米・ごはんを中心にすると、バラエティ豊かな副食がとれ、多くの野菜類、それから豆腐などの豆類、DHAを含んだ魚など、いろいろなおかずをバランスよくとることができます。

ごはん中心の食事
【ごはん中心の食事】