テーマ:「お米の離乳食が世界で推奨される!」

順天堂大学大学院プロバイオティクス研究講座特任教授 山城雄一郎先生

離乳食としてお米が世界的に使われている!

 日本では、お米をおかゆにした離乳食がおなじみですが、近年、世界でも離乳食としてお米が大変注目されてきています。お米は病気を起こしにくい穀類としてよく知られていますが、小麦の場合は腸の病気を起こす可能性があるからです。おかゆは下痢の時にも水分の吸収を助けて脱水を防ぐ働きもあります。そういったことから今では離乳食としてお米が世界的に使われているのです。

赤ちゃんは、消化吸収、腸の免疫力が未発達

 なぜ赤ちゃんには脂肪とたんぱく質を最初は与えないのでしょうか?それは、赤ちゃんの消化吸収能力に非常に関係していて、脂肪を最初に与えると十分に消化吸収できなくて下痢を起こしやすく、また、アレルギー体質の赤ちゃんにたんぱく質を与えると食物アレルギーの原因になりやすいのです。それで穀類を最初に与えるのです。赤ちゃんの消化吸収を考えると離乳食はお米なのです。

脂肪の消化に必要な酵素は生後6か月までは不十分

子どもの頃の食事体験が大切

 私たちの食行動、いわゆる食事の好みは、離乳食の時から小学生の頃までに経験した味が強く影響するため、子どもの頃の食事体験が非常に大事になります。それは、脳への味のすり込みといわれていますが、一生のその人の食行動に影響を与えるのです。例えば、日本では中年になると和食を好むようになるのは、小さいときにそういう味を経験しているからなのです。これは生活習慣病(糖尿病などのメタボリック症候群)を防ぐ意味でも、非常に重要な意味を持っています。
近年の研究で、乳・幼児期に栄養過多で肥満傾向ないし肥満だと、成人して生活習慣病になるリスクが高まりますので、お米が中心の和食が健康食です。

赤ちゃんのときからお米を中心とした食事を!

 和食はお米を中心とした健康によい食事です。これを赤ちゃんのときから与えることが大切で、子どもの頃に和食を食べることが将来の健康にもよいのです。今の子どもたちを生活習慣病から守る非常に大事なことです。