三田市水田農業推進協議部会
三田市地図地域の概要

 三田市水田農業推進協議部会(以下「協議部会」という)の管轄する地域は、三田市の行政区域と同一である。三田市は兵庫県の南東部に位置し、神戸市街地から六甲山系を越えて北へ約25km、大阪から北西へ約35kmの圏域にあり、北は篠山市、東は宝塚市、猪名川町、南は神戸市、西は三木市、加東市に接している。
 市域は東西約20km、南北約18km、総面積210.22ku、人口約11万4千人で、周辺部には山地が多く、北部から東部にかけて標高500〜700mの諸峰が連立し、市域の65%は丘陵地(森林)である。南東部には市街地、耕作地のある三田盆地が開けている。市の西部から南東部にかけて武庫川が貫流し、肥沃な農地を潤し県下屈指の穀倉地帯になっている。
 気候は瀬戸内海気候に属し、年間の降水量は1,300mm前後で農耕には適量の恵みをもたらしているが、内陸的気候で盆地のため放射冷却が厳しく冬場の積雪は少ないものの気温は零下8度〜9度まで下がることもある。
 協議部会管内の農家戸数は2,153戸、うち販売農家戸数は1,799戸、全耕地面積2,080ha、水田面積1,780ha、1戸当たり平均水田面積約0.97ha、平成21年度の水稲作付面積は配分1,147haに対し、実作付1,140ha、生産調整面積は配分638haに対し、実転作640ha、転作率は計画35.7%に対し実行ベースは36.0%である。
 管内の農業算出額(平成18年度)は31.6億円あり、そのうち上位3位は、米46%、畜産28%(内肉用牛15%、生乳11%、その他2%)、野菜14%で、この3位までで全体の88%を占めている。特に肉用牛は、商標法に基づく地域団体商標登録を得た「三田牛、三田肉」として、ブランド力の向上が図られている。
 農家の専業・兼業比率については、専業が13%、兼業が87%となっている。兼業者の勤務先は、大阪、神戸を中心とした企業が多い。
 三田市は、宅地開発に伴う人口増が進んでいるが、開発地のほとんどは丘陵地の切り崩しを主体とし、農地を保全する考え方のもとにまちづくりを進めてきたため、水田面積の減少は小さいものとなっている。昭和の終わり頃には、神戸・大阪方面に対する交通網が整備されるに伴って昭和30年代の3万5千人台から現在は11万人台に達した。市域の約23%を占める農村地域と共生しながら、国内でも有数の人口増加地域が形成されているため、都市近郊農業として多品目の農産物生産に発展する可能性を秘めている。

田園風景(三田市提供) 茶畑(三田市提供)
取組内容

(1)体制づくり

 三田市は、昭和31年9月に旧三田町、三輪町、広野村、小野村、高平村の2町3村が合併して三田町となり、昭和32年7月に相野町(昭和31年3月に藍村と本庄村が合併して誕生)を編入し、昭和33年7月に市制を施行し三田市となり、現在に至っている。
 一方、協議部会を構成するJA兵庫六甲は、平成12年4月に兵庫県南東部の7市1町の9JA(JA神戸市西、JA神戸市北、JA宝塚、JAにしのみや、JAさんだ、JA川西市、JA尼崎市、JAいたみ、JAいながわ)が合併して誕生したことから、 現在、JAの管轄区域には、9つの地域協議会が存在している。
生産面を指導する営農総合センターは、神戸、三田とその他地域を統合した阪神の3地区に集中させ効率化を図ったが、金融支店は組合員のニーズに合わせて残した。
 協議部会の部会長にはJA兵庫六甲の三田地区担当理事が、副部会長には三田市の経済環境部長が就任している。
 事務局は、三田市農業振興課とJA兵庫六甲三田営農総合センターが連携して担っており、事務局長には三田市の農業振興課長が就任している。
 また、協議部会は、市、JA、JA三田女性会、農業委員会、土地改良協会、農業共済損害評価会、集荷業者、地区農会、市認定農業者組織で構成されている。

(注)兵庫農政事務所、兵庫県阪神農業改良普及センター及び兵庫県阪神農林振興事務所がオブザーバー参加している。

パスカル(農産物直売所)(三田市提供) ウッディタウン町なみ(三田市提供)

(2)生産面での取組

 地域は県内の米どころとして知られ、圃場整備率は97.8%(平成21年3月末)に達し、水田農業が取り組まれて来た。米の品種別作付比率(平成21年産実績)は、コシヒカリ:50.7%、どんとこい:15.2%、ヒノヒカリ:7.0%、キヌヒカリ:4.1%、山田錦:17.1%、ヤマフクモチ:4.6%、その他:1.3%となっており、需要に応じた作付体系と適地適作による良質米生産に努めている。
 その中で、「三田合鴨稲作会」によるJAS法の有機認証を受けた合鴨米が取り組まれ、消費者に好評を得ている。
 野菜は、トマト、ピーマン、山の芋、うど、太ねぎを重点作物として生産に取り組んでいるが、学校給食用、地場流通用として多品目の野菜生産にも取り組んでいる。
 麦、大豆は生産調整の基幹作物として、そばは新たな地域特産物として位置付けられており、稲・麦・大豆・そば等との輪作体系確立による水田利用率の向上を図っている。黒大豆枝豆は地域特産品として振興している。
 麦は、40haの作付のうち、小麦が86%、大麦が14%となっており、大豆は、89haの作付のうち、白大豆が18%、黒大豆が82%となっている。
 そばは約24haの作付があり、集団転作を中心に取り組まれており、作付面積も安定的に推移している。
 流通販売対策として、地理的な条件もあり、地産地消(地場流通)に力点を置き、パスカルさんだ(農産物直売所)での農産物販売、市内・市近郊の量販店への農産物供給、学校給食への農産物供給を行っており量的拡大を図っている。
 市場出荷については、トマト、ピーマン等の野菜や花き等を阪神間の大消費地に隣接する特性を生かした有利販売に努めている。

取組結果

(1)成果

 生産調整は、行政とJAとが連携して推進しており100%を上回って達成している。これは集落毎に設置された生産者組織(農会)が中心となって、地域の話し合いがきっちり行われていることが反映された結果である。
 集落数は95、生産調整対象地域は94。担い手については、平成22年9月末現在で認定農業者は51経営体が登録されており、うち1集落営農組織が法人として認定を受けているほか、14の集落営農組織が担い手として位置づけられており、地域農業推進の核となっている。
 生産調整に係る助成金(産地確立交付金の協議部会の設定単価)については、麦・大豆の場合、平成21年度では基礎額6千円+担い手加算29千円+水田高度利用等加算8千円=43千円であり、平成22年度(水田利活用自給力向上事業の兵庫県統一単価)は、麦が41千円、大豆が35千円となっており、ほば同水準を確保している。なお、「麦+大豆」、「麦+そば」など二毛作した場合は、さらに15千円が加算される。
 学校給食については、「地産地消」の観点から、重量ベースで、全体の60%供給を目標に取り組んでおり、野菜は年間使用量の30%を目指しつつ、米は三田米を100%、牛肉は三田牛を1学期に1回供給しており、更なる上積みを図っている。

(2)今後の課題

  • ア.市内に大消費地を持つ絶対的な有利性を活かし、専業・兼業、年齢、性別に関係なく自らのライフスタイルや創意工夫により取り組むことができる「地産地消」型の産地形成を目指す。
  • イ.上記に関連し、学校給食について、重量ベースで全体の60%供給を達成する。
  • ウ.生産者のうち、65歳以上の比率は現在約71%であるが、年々高齢化がすすんでいる。世代後継者はいるが農業後継者が不足する現状の中で、農業生産を地域でどのように支えて行くのかが課題である。
  • エ.戸別所得補償制度について、交付金は協議部会を通らず農政事務所から生産者個人の口座へ直接支払いされることとなっているが、制度周知から加入申請、交付申請手続き、さらには確認作業に至るまで協議部会の負担が大であり、困惑している。

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制作・著作 公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構
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