おおい町水田農業推進協議会
おおい町地図地域の概要

 おおい町水田農業推進協議会(以下「協議会」という)の管轄する地域は、おおい町の行政区域と同一である。
 おおい町は福井県の南西部に位置し、東西27.5km、南北22.6km、面積約212km2、人口約9千人の町である。京都府との府県境を水源とする二級河川佐分利川水系と南川水系が西から東へ向かって流れ、小浜湾に注いでいる。町域の90%以上を占める山林と、若狭湾国定公園に面し、リアス式海岸の眺望を得られる海を中心とした自然に囲まれた町で、大島半島が青戸の入江を挟んで北に位置しており、青戸の大橋によって結ばれている。
 西は大飯郡高浜町及び京都府綾部市に、南は京都府南丹市に、東は小浜市及び滋賀県高島市に隣接している。山地は西側の京都府との県境に標高871mの頭巾山(とうきんざん)、南側には標高800mの八ケ峰(はちがみね)、東側の京都府、滋賀県との県境には、標高776mの三国岳(みくにだけ)があり、大島半島には標高478mの大山(おおやま)がある。
 協議会管内の水稲作付農家戸数は1,000戸(販売農家数は596戸―平成17年)、水田面積670ha、1戸当たり平均水田面積約0.7ha、平成21年度の水稲作付面積460ha、生産調整面積210ha、転作率31.3%である。
 米が基幹作物であり、農業算出額全体の7割を占めている。管内の農産物の作付面積のベスト3は、1位が米、2位が大麦、3位がそばである。
 農家の専業・兼業比率については、専業が1%、兼業(自給的農家を含む)が99%となっており、兼業者の勤務先の大半は地元にある関西電力大飯原子力発電所及びその関連会社である。

大飯地域風景(おおい町提供) 名田庄地域風景(おおい町提供)
取組内容

(1)体制づくり

 おおい町は、平成18年3月3日に大飯郡大飯町と遠敷郡名田庄村が合併して誕生したが、この時点では地域協議会は2つ(おおい町大飯地区水田(協)、おおい町名田庄地区水田(協))あった。そして、第2ステージの開始時期(平成19年4月)におおい町水田(協)として一本化され現在に至っている。
 一方、協議会を構成するJA若狭は、平成8年3月に若狭地区の5市町村のJA(小浜市、上中町、名田庄村、大飯町、高浜町)が合併して誕生し、その後名田庄村と大飯町が合併しおおい町となったことから、現在、JA若狭の管轄区域には、4つの地域協議会(小浜市、若狭町、おおい町、高浜町)が存在している。
 当該「協議会」の会長には農業生産法人の代表者が、副会長には農事組合法人の代表者が就任している。
 事務局は、おおい町農林水産振興課(3名)とJA若狭営農担当部署(3名)が担当しており、事務局長にはおおい町農林水産振興課長が就任している。
 また、協議会は、町、JA、生産者代表(個人、生産法人)、商業者(販売業者)代表、JAの女性部代表で構成されている。
(注)農業共済はオブザーバー参加である。

(2)生産面での取組

 協議会管内の農業生産は米が主体で、品種別の作付比率はコシヒカリが42%、ハナエチゼンが26%、その他32%となっている。
 コシヒカリの作付比率が少ないのは、田植時期を5月連休に済ませていた農家が県の遅植指導(5月15日以降植え)に合致できず、5月連休に田植え可能なハナエチゼンに切り替えたことによる。
 生産調整の対応としては、主に大麦、そば、加工用米の生産に取り組んでいる。
 名田庄地域では平成12年度より大麦とそばが本格的に栽培されるようになり、大麦はブロックローテーションにより作付されており、そばは町の特産品として「自然薯そば」や「名田庄そば」「そばクッキー」「そば粉」に利用されている。
 また、特産品「名田庄漬」の原料である、きゅうり、なす、大根などの加工野菜が多く栽培され、JAの買入価格も安定していることから、農家の安定的収入源となっている。
 「名田庄漬」は、JA若狭が製造し(株)名田庄商会(第3セクター)が販売を行っていたが、現在は製造・販売のすべてを(株)名田庄商会が行っている。
 大飯地域では、主に加工用米が作付されている。平成2年度から「きのこと梅の里づくり」を目指し、転作田における梅の作付けを推進しており、「剣先」「紅さし」「新平太」といった主要品種は市場でも福井梅ブランドとして評価を得ている。

名田庄漬(おおい町提供) 梅たっぷりゼリー(おおい町提供)
取組結果

(1)成果

 生産調整は、行政とJAとの連携した推進により100%を達成している。
 名田庄地域では、一村一農場構想に基づき、平成17年12月に「農事組合法人名田の荘(みょうでんのしょう)発起人会」が設置され、平成18年2月に井上・中・下の3地区内の約120人が組合員となる「農事組合法人名田の荘(みょうでんのしょう)」が設立され、水田経営以外の事業を導入し、新規事業に取り組むことで地域内の女性や高齢者等の多くの人に参画の機会を造り、地域内の経済の活性化に貢献している。
 担い手については、平成19年3月末現在で、認定農業者が個人;8名、法人;2組織、集落営農組織;10組織、受委託組織;1組織が登録されており、地域農業推進の核となっている。
 平成22年4月現在、担い手リストに登録されている認定農業者、集落営農組織、水田経営面積が2ha以上の農業者、町の推進作物を10ha以上作付している農業者は、48人(組織を含む)となっている。
 生産調整に係る助成金については、大麦の場合、平成21年度までは基本額18千円+団地加算18千円+担い手加算2.5千円+町単独助成2千円=40.5千円であったが、平成22年度は、一律基本額35千円+激変緩和分20千円=55千円となっている。
 なお、6月24日現在の戸別所得補償モデル事業の加入率は、40%(1,000人中400人)である。

(2)今後の課題

  • ア.地域協議会が合併して4年目になり、名田庄地域では、「一集落一農場構想」の実現を目指し、集落営農組織の拡大を推進しているが、組合員の加入が停滞しているので、拡大に向けた新たな取り組みが必要である。
  • イ.大飯地域では、グリーン大飯農業公社が受委託を一手に引き受けているが、土地条件の悪い管内における耕作放棄地が増えているので、その解消に向けた取り組みが必要である。
  • ウ.農家人口の推移を見ると、65歳以上の農業者が全体の約3分の1を占めており、高齢化は加速の一途をたどっているが、専業農家にも兼業農家に後継者が確保されている農家は少なく、後継者の確保が課題である。
  • エ.管内が山に囲まれた中山間地域であるため、山ぎわの圃場中心に放棄地が発生、イノシシ、サル、シカ等の有害鳥獣による農作物被害が増加している。被害地域は年々拡大傾向にあるので、集落や地域を単位とするものから広域を単位とする抜本的な対策が求められている。

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制作・著作 公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構
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