美里町水田農業推進協議会
美里町地図地域の概要

 美里町水田農業推進協議会(以下「協議会」という)の管轄する地域は、美里町の行政区域と同一である。美里町は埼玉県の北西部に位置し、面積33.48km2、人口約12千人で、北部の平坦地と南部の丘陵山間地帯より構成されている町である。北と西は本庄市に、南は長瀞町に、東は深谷市及び寄居町に隣接している。
 協議会管内の水稲作付農家戸数は1,138戸、全耕地面積1,140ha、水田面積570ha(50%)、1戸当たり平均水田面積約0.5ha、平成21年度の水稲作付面積は配分339haに対し、実作付347ha、生産調整面積は配分231haに対し、実転作223ha、転作率は計画40.5%に対し、実行ベースは39.1%である。
 管内の農業算出額は22.8億円あり、そのうちベスト3は、1位が野菜35%、2位が畜産28%、3位が米・麦28%とバランスがとれており、この3品目で全体の91%を占めている。
 農家の専業・兼業比率については、専業が10%、兼業が90%となっており、兼業者の主な勤務地は、隣接する本庄市、熊谷市であるが、一部の人は町内にある工場(エーザイ、キヤノン等)に勤務している。

飼料用イネ刈取作業(美里町役場提供) ブルーベリーの摘み取り(美里町役場提供)
猪俣百八燈(美里町役場提供)
取組内容

(1)体制づくり

 美里町は、昭和29年10月に東児玉村、松久村及び大沢村の3村が合併して美里村となり、昭和59年10月に町制施行し美里町となった。なお、平成の大合併推進時に、児玉郡市内の6市町村(本庄市、上里町、児玉町、美里町、神川町、神泉村)で合併協議会を設置し1市になることを検討したが、住民投票の結果、美里町はどことも合併しないことを決定し現在に至っている。

(参考)1市構想は実現しなかったが、本庄市と児玉町が合併して本庄市に、神川町と神泉村が合併し神川町になるという合併が実現し、児玉郡市内には、本庄市、上里町、美里町、神川町の1市3町が存在することとなった。

 一方、JA埼玉ひびきのは、平成9年4月に児玉郡市内の1市4町1村の6JA(本庄市、上里町、児玉町、美里町、神川町、神泉村)が合併して誕生し、その後行政合併が2件あったことから、現在、JAの管轄区域には、5つの地域協議会(本庄市、本庄市児玉、上里町、美里町、神川町)が存在している。
 「協議会」の会長にはJA埼玉ひびきのの監事が、副会長には美里町の町長が就任している。事務局は、JA埼玉ひびきのと美里町農林商工課が連携して担っており、事務局長にはJA埼玉ひびきの美里営農経済センター所長が就任している。
 また、協議会は、JA、町、農業委員会、土地改良区、農業共済組合、消費者団体、農産物出荷組合、集荷販売業者、酪農協会、農業会議所、農業女性会議所、担い手農家、農家組合長会で構成されている。

(注)本庄農林振興センター、関東農政局、埼玉県農林公社がオブザーバー参加している。

(2)生産面での取組

 協議会管内の農業算出額でトップの野菜は、きゅうり、ねぎ、なす、いちご、里芋、トマト、ブロッコリー等多品目が作付されているが、そのうちきゅうりが約半分を占めている。
 米の品種別作付比率は、彩のかがやき:60%、キヌヒカリ:30%、コシヒカリ他:10%となっている。
 生産調整の対応としては、昭和49年に圃場整備が開始され現在ではほぼ完了しており、小麦・大豆を奨励してきたが、麦が残り、新たに耕畜連携による飼料用稲(WCS)が導入され、いずれも定着化している。

(注)現在の圃場整備率は約90%で30a区画を基本としている。高度な土地利用が展開され、稲、麦の二毛作を中心とした水田経営が展開されている。

 飼料用稲(WCS)については、平成14年に「はまさり研究会」が設立され、翌平成15年には飼料用稲(WCS)の生産者組織である「美里町飼料イネ協議会」と飼料用稲(WCS)の利用者組織である「美里町飼料イネ利用会」が設立され、また、同年「(有)みのり」が飼料用稲(WCS)の収穫作業の請負を開始した。
 さらに、平成19年に飼料用稲(WCS)の収穫作業請負組織「美里WCS」が設立され、現在は、2社による飼料用稲(WCS)収穫作業の請負が行われている。
 現在、飼料イネ協議会には、13戸と3集団の耕種農家が登録され、飼料イネ利用会には5戸の畜産農家が登録されている。

取組結果

(1)成果

 生産調整は、行政とJAとが連携して推進しているものの100%達成には至っていない。これは、1戸当たりの水田面積が0.5haと狭く、生産調整が実行しづらい環境にあることにも一因がある。
 耕畜連携による飼料用稲(WCS)への取組の結果、平成15年度22.5haの作付面積が平成21年度には38haと大幅に増え、粗飼料自給率が大幅に向上するとともに、「美里町飼料イネ協議会」「美里WCS、(有)みのり」「美里町飼料イネ利用会」の3者による営農システムが確立され、さらには、①堆肥の広域利用の促進、②堆肥の水田への有効利用→園芸作物への拡大、③野積み堆肥の解消、④堆肥施用による小麦の増収・高品質化、といった二次的な効果が出て来ている。
 担い手については、平成22年6月末現在で、認定農業者が88名登録されており、地域農業推進の核となっている。
 生産調整に係る助成金については、飼料用稲(WCS)の場合、平成22年度より産地確立交付金等から新制度に変わったが、概ね同水準を確保している。

(2)今後の課題

  • ア.平成22年度は、米の戸別所得補償モデル事業となり、助成金が個人に支払われることになったことから、次年度以降も継続された場合、団地化維持に支障が出ることが懸念される。団地化の崩壊は水管理に波及すると懸念している。
  • イ.生産者のうち、65歳以上を占める比率が高くなり、生産力維持の観点から後継者問題が課題となっている。
    特に稲作・麦作を中心とする3つの生産集団は、3集団合わせて約100haを経営しているが、これらの集団も高齢化しており、後継者問題が喫緊の課題である。
  • ウ.飼料用稲(WCS)の助成金(8万円/10a)が減額された場合、生産コスト割れとなり、生産維持ができなくなる可能性が大きい。
  • エ.「産地づくり」に類する交付金の廃止によって地域独自の生産が難しくなった。

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制作・著作 公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構
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