三朝町水田農業推進協議会
三朝町地図地域の概要

 三朝町水田農業推進協議会(以下「協議会」という)の管轄する地域は、三朝町の行政区域と同一である。三朝町は鳥取県の中央部に位置し、東伯郡に属している。東は鳥取市、北は東伯郡湯梨浜町、西は倉吉市、南は岡山県真庭市、岡山県苫田郡鏡野町に接している。地域の一部は中山間に指定されている。
 町域は東西24km、南北19km、総面積233.46ku、人口は減少を続け、約7千人で、総面積のうち、約95%が山林原野の中山間地域である。
 国宝の三佛寺投入堂(三徳山)や名勝小鹿渓があり、世界一といわれる高濃度のラジウム温泉が噴出する温泉街が三徳川の両岸に広がっている。
 三朝温泉は、本格的な療養温泉でもあり、温泉医療のメッカとしても知られ、国立病院や岡山大学付属病院、温泉研究所などの医療施設も運営されている。また、温水床暖房設備を持った長期滞在者向けの旅館や自炊宿が営業しており、観光と療養という両極性がこの温泉の特徴である。
 主要農産物は、米、二十世紀なし、リンゴ、椎茸、ナメコ、山椒、わさびである。畜産部門では生乳、肉牛、乳牛と続く。
 協議会管内の農家戸数(平成17年農林センサス)は863戸、全耕地面積672ha、水田面積519ha、1戸当たり平均水田面積約0.6ha、平成21年度の水稲作付配分面積は349ha、生産調整配分面積170ha(転作率:32.8%)である。また、集落数は58で、集落営農は54である。
 管内の農業算出額(平成18年度鳥取農林水産統計年報)は8.1億円あり、そのうちベスト3は、1位が米43%、2位が果樹(なし)17%、3位が生乳11%で、この3つで全体の71%を占めている。
 農家の専業・兼業比率(平成17年農林業センサス)については、専業が1.2%、兼業が98.8%となっている。兼業者の勤務先は、地元の倉吉市、三朝町の温泉街を中心とした企業が多い。

取組内容

(1)体制づくり

特別栽培米の圃場(三朝町役場提供) 三朝町は、昭和28年11月に5村(三朝村、旭村、竹田村、小鹿村、三徳村)が新設合併し町制施行し、現在に至っている。
一方、協議会を構成するJA鳥取中央は、平成10年2月に9JA(JA倉吉市、JA羽合町、JA泊村、JA東郷町、JA三朝町、JA関金町、JA北条町、JA大栄町、JA赤碕町)が合併し誕生し、更に、平成19年2月にJA東伯町と合併し広域な新生JAとなったことから、現在、JAの管轄区域には、5つの地域協議会(倉吉市、三朝町、湯梨浜町、北栄町、琴浦町)が存在している。
 「協議会」は平成16年に設立され、会長にはJA鳥取中央の代表理事組合長が、副会長には三朝町の町長及びJA鳥取中央の三朝支所理事運営委員長が就任している。平成19年度以降はJA鳥取中央にシフトさせている。
 事務局は、三朝町農林課農林振興室とJA鳥取中央中央営農センター三朝駐在が連携して担っており、事務局長にはJA鳥取中央の三朝支所長が就任している。
 また、協議会は、町、JA、農業委員会、生産者代表(農事実行組合長連絡協議会、認定農業者協議会)、消費者代表(商工会女性部)、県倉吉農業改良普及所で構成されている。

(2)生産面での取組

 米の品種別作付比率(平成21年産実績)は、コシヒカリ:72%、ひとめぼれ:20%、ヤマヒカリ:2%、その他:6%となっている。今後は、コシヒカリを60%、ひとめぼれを30%に作付誘導を図って行く必要がある。
 地域のブランド化は生産数量が少ないことから難しいが、米は県内良質米生産地としての評価が高く、町独自の稲作栽培暦を作成し、町内統一的な食味及び品質基準を設定し、併せて自然乾燥米、有機認証の取得による有機栽培米の生産を行っている。
 販売面では、平成15年に三朝温泉炊飯センターを設置(JA、米穀店、旅館組合の共同出資)し、三朝温泉の宿泊施設に地元産米の利用推進を図るとともに、学校給食にも地元産米の提供を行い、地産地消を推進し定着化したが、宿泊数(三朝町調べ)の大幅な減少(年間宿泊数:平成2年514千人→平成19年392千人=122千人の減)に伴い、各ホテルが経営不振に陥り、経営者が変わったこともあり、炊飯センターは平成21年3月に廃止され、現在は宿泊施設毎、学校給食にも精米での供給を行っている。
 野菜は、人参、きゅうり、長ねぎ、ブロッコリー等多品目の生産に取り組んでいる。野菜以外の主な転作作物としては、大豆14ha、飼料作物16haが作付されている。

米づくり研修会(圃場研修)(三朝町役場提供) (有)グリーンサービス(作業受託会社)のメンバー(三朝町役場提供)
取組結果

(1)成果

 生産調整は、行政とJAとが連携して推進しており、100%達成している。
 担い手については、平成22年10月末現在で、認定農業者が14経営体登録されており、担い手は29経営体(14認定 農業者+5集落営農組織+3グループ農家+7個別農家)が担い手として認定されており、地域農業推進の核となっている。
 生産調整に係る助成金(産地確立交付金の協議会の設定単価/10a)については、大豆の場合、平成21年度では、基本額8千円+担い手加算36千円+その他加算23千円=67千円であり、平成22年度(水田利活用自給力向上事業の単価/10a)では、39千円となっており、前年度の水準から28千円減額となっている。
 飼料作物の場合、平成21年度では、基本額8千円+担い手加算36千円+その他加算10千円=54千円であり、平成22年度では、30千円となっており、前年度の水準をから24千円減額となっている。

(2)今後の課題

  • ア.管内地域は中山間地域が多く、こだわりを持って作ることできるものはやはり米である。こだわりの米作り(自然乾燥米、有機栽培米等)をどう活性化して行くのか。将来的にもこだわりの米を作り続けて行くためには、地域全体で米作りを支える仕組作り(ex.高価農機具の共同利用等)が必要である。
    そのためにも、助成金は生産者個人へのバラマキではなく、地域水田農業推進協議会に対する助成に切り替えて欲しい。
  • イ.生産者のうち、65歳以上の比率は約31%(平成17年国勢調査)であるが、年々高齢化がすすんでおり、高齢者の農業リタイア等で農家数が年々減少している。農業生産を地域でどのように支えて行くのかが課題である。

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制作・著作 公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構
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