神林地区水田農業推進協議会
村上市地図地域の概要

 神林地区水田農業推進協議会(以下「協議会」という)の管轄する地域は、村上市の行政区域のうち旧神林村地域である。村上市は新潟県の北端に位置し、面積約1,174km2で新潟県の総面積約12,583km2のおよそ9.3%を占め、県内最大の面積を誇っている。また、50kmにも及ぶ海岸線を有し、その中核として、特定地域振興重要港湾岩船港が地域産業や観光振興など地域の重要拠点としてその役割を担っている。
 村上市は、地質的には沖積平坦地と山間部洪積地で構成されており、平地は飯豊朝日山系に源を発する荒川・三面川・石川流域に広がっている。集落は河川流域に集中しているほか、朝日山塊が直接日本海に迫る三面川河口以北の海岸線に分布している。特にこの三本の河川流域は肥沃な水田として市の農業生産活動の基盤となっている。
 気候は日本海型の気象区分に属し、四季の移り変わりが明確で、冬季は西高東低の冬型の気圧配置が続き、シベリアからの季節風がもたらす雪は、時として日常生活や産業活動に悪影響を与えることもあるが、そうした反面、豊かな水資源となり、生活や産業活動に欠かせない重要な資源となっている。
 北は山形県鶴岡市に、東は山形県西村山郡西川町及び西置賜郡小国町に、南は胎内市及び岩船郡関川村に隣接している。村上市は、北限の茶どころとして有名であり、三面川の鮭他、村上牛が有名であり、瀬波温泉や粟島航路など観光都市としての側面が強い。
 協議会管内の水稲作付農家戸数は973戸、水田面積2,066ha、1戸当たり平均水田面積2.1ha、平成21年度の水稲作付面積1,704ha、生産調整面積362ha、転作率17.5%である。全村圃場整備事業を推進し、圃場整備(1区画50aが基本)が進んでおり,整備率は90%に達している。
 基幹作物は米で、管内の農産物の作付面積のベスト3は、1位が米、2位が麦(六条大麦)、3位が大豆である。園芸作物はネギ、ブロッコリー、アスパラガス、さといも等で販売を目的にする商業的作物を中心に生産している。
 農家の専業・兼業比率については、専業が約10%、兼業(自給的農家を含む)が約90%となっており、兼業者の勤務地は主に村上市、新潟市、新発田市、胎内市である。

大麦の圃場(JAかみはやし提供) そばの圃場(JAかみはやし提供)
大豆の圃場(JAかみはやし提供)
取組内容

(1)体制づくり

 村上市は、昭和29年3月31日に岩船郡村上町、岩船町、瀬波町、山辺里村及び上海府村の3町2村が合併して誕生したが、その後、平成20年4月1日に岩船郡荒川町、神林村、朝日村、山北町と合併し、新市制の「村上市」となった。
 平成20年に新村上市となったものの、広範な地域で農業生産が展開されており、生産調整の助成金体系が異なっていることや転作作目が多様であったことから、村上市管内には旧行政単位で5つの協議会(村上地区、山北地区、神林地区、朝日地区、荒川地区)が存在している。しかし、現在、運営の一本化に向けた協議が行われている。
 村上市のJA組織は、JAかみはやしとJAにいがた岩船(神林地区を除く村上市と関川村が管轄区域)の2JAが存在している。
 協議会を管轄する「JAかみはやし」は昭和49年に当時の神林村内にあった3農協が合併して誕生し、現在独自に経営しており、協議会の管轄区域とJAかみはやしの管轄区域は同一である。協議会は生産調整協議会を継承し、平成16年にスタートした。
 「協議会」の会長にはJAかみはやしの代表理事理事長が、副会長には村上市の市長が就任している。事務局は、平成19年からJAかみはやしの営農部と村上市の担当部署が連携して担っており(JA2名、市1名)、事務局長にはJAかみはやしの営農部長が就任している。
 また、協議会は、市、JA、農業委員会、農業共済組合、土地改良区、集落農家組合、生産調整方針作成者で構成されている。
 なお、幹事会を構成するメンバーは、JA、市、農業委員会、共済組合、土地改良区、生産調整方針作成者(JA以外)の中から各1名合計15名で構成されている。平成21年度より方針作成者も幹事に加わり、今後の地域農業の方向性やあり方を議論している。総会には5名の生産調整方針作成者も参加する。

(2)生産面での取組

 協議会管内の農業生産は米が主体で、品種別の作付比率はコシヒカリが70%、こしいぶき他が30%となっている。「安全・安心」な高品質米の安定生産による「売れる米づくり」を推進しており、30%減農薬・減化学肥料栽培米や、直播栽培米の生産に取り組んでいる。特別栽培米については「産地づくり交付金」等を活用し、推進してきた。
 生産調整は、麦(六条大麦)53.1ha、大豆52.7haを主力品目とし、WCS3.4ha、そば2.3ha等が主に作付されている。また、大豆生産は4集落で、麦(六条大麦)も5集落で団地化されており、生産確保に貢献している。
 なお、自己保全管理91ha、調整水田(全体及び部分)5.5ha合計96.5haと生産調整カウント362haの26.5%を占めている。

取組結果

(1)成果

 生産調整は、行政とJAとの連携した推進により100%を達成している。
 担い手の明確化を図り、平成20年度実績で、認定農業者155名(農業生産法人8)、集落数は37、集落の生産組織24団体(内、特定農業団体及びこれと同様の要件を満たす組織9団体)となっており、集落営農組織等の法人化支援や圃場整備により区画が整理されたことにより担い手への農地の集積が進み、経営規模の拡大による専業農家も多い。また、管内には、JAかみはやしをはじめ5つの生産調整方針作成者があり、特別栽培米の作付やもち米の生産加工などそれぞれ独自の取組を行っている。   
 生産調整に係る助成金(10a当たり)については、平成21年度で麦・大豆の場合、基本額10千円+担い手加算50千円=60千円であったものが、平成22年度では、麦が一律部分35千円+激変緩和分24.3千円=59.3千円、大豆が一律部分35千円+激変緩和分18.3千円=53.3千円と、若干の引き下げになるがほぼ同水準を確保できる。
 3月上旬に生産者への説明会を開催し、米の戸別所得補償モデル事業と水田利活用自給力向上事業の周知徹底を図り、6月に相談窓口を設置し、加入支援を行った。

(2)今後の課題

  • ア.生産調整の転作作物として麦・大豆は定着した。平成22年度では加工用米が増加したが、助成金20千円と80千円の差があるため、加工用米と新規需要米の棲み分けが必要であるが難しい。
  • イ.転作作物の売り先、特に新規需要米については、販売先との契約が前提となるため、事前の売り先確保が難しく数字が積み上がらない。
  • ウ.今後は高品質な米、麦、大豆、そば、新規需要米、加工用米、園芸作物の安定的な生産による「売れる米(農産物)づくり」を推進して行く必要がある。

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制作・著作 公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構
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