池田町総合農政推進協議会
池田町地図地域の概要

 池田町総合農政推進協議会(以下「協議会」という)の管轄する地域は、池田町の行政区域と同一である。池田町は足羽川の最上流にある小盆地の町であり、岐阜県との県境に位置し、面積約195km2、人口約3千人の町である。町の総面積の92%は山間地である。(注)従前より総合農政推進協議会があり、その名称をそのまま踏襲している。
 交通のアクセスは、公共交通のバス便も少なく、自動車交通が基本の地域である。近接するインターチェンジは、福井IC、鯖江IC、武生ICからそれぞれ30~45分程度で行ける距離にある。全方位に対して平均的な距離にある。
 主な居住地域は周囲を山で囲まれた200~250m程度の場所に若干広がっている谷間にあり、町全体が特別豪雪地帯の指定を受けており、冬季の降水量が極めて多い(1m50cm位は積もる)。年間の寒暖差も大きい。北は福井市及び鯖江市に、東は大野市に、西は越前市及び南条郡南越前町に、南は岐阜県揖斐郡揖斐川町に隣接している。
 協議会管内の水稲作付農家戸数は745戸、38集落、水田面積450ha、1戸当たり平均水田面積0.6haと零細であり、平成21年度の水稲作付面積330ha、生産調整面積120ha、転作率26.7%である。
 米が基幹作物であり、管内の農産物の作付面積のベスト3は、1位が米、2位がそば、3位が野菜(ミディトマト他)である。
 農家の専業・兼業比率については、耕地面積が狭いこと、就業機会に恵まれていることもあり、専業が約5%、兼業(自給的農家を含む)が約95%と高い比率を占めている。就業者の勤務地は越前市、鯖江市、福井市であるが、町内には、以前より盛んであった大工、畳屋、左官屋等自給的な産業が僅かながら残っている。

池田町全景(池田町提供) 田んぼの生き物調査(池田町提供)
取組内容

(1)体制づくり

 池田町は、昭和30年3月31日に今立郡池田村と下池田村が合併し、その後町制を施行し現在に至っている。一方、協議会を構成するJA池田の管轄区域は、池田町の管轄区域と同一である。
 「協議会」は平成16年4月に設立され、会長には池田町の町長が、副会長にはJA池田の代表理事組合長及び福井県丹南農林総合事務所の農村整備部長が就任している。事務局は、池田町産業振興課(8名)が担っており、事務局長には池田町産業振興課長が就任している。
 また、協議会は、町、JA、町議会、農業委員会、農業共済組合、土地改良区、集落代表、農家組合代表、(財)池田町農林公社(農地の受委託と流動化の斡旋を行っている)、福井県の改良普及部で構成されている。

(2)生産面での取組

 協議会管内の農業生産は米が主体で、品種別の作付比率はコシヒカリが94%、モチ米が5%、その他1%となっている。
 環境や農業でのまちづくりをして来た池田町の地域活動を生かしながら、環境を守り、地域社会の絆を取り戻し、景観を向上させ、命を育む運動に高める方法として、「生命に優しい米づくり運動」に取り組んでおり、水稲の作付は全体の60%強を占めている。町では作る人と食べる人、土や水などの環境に優しい農業生産を目指して、平成12年度に町独自の農産物認証制度「ゆうきげんき正直農業」運動を開始し、町内の牛糞堆肥を使った土づくりを基本とし、減農薬無化学肥料栽培の推進、平成15年から無農薬無化学肥料栽培の基準を設定した。現在、実施されて具体的な対策は、以下の内容である。

①町全体の栽培基準として3つのランクを設定

  • 金:「無化学肥料無農薬栽培」
  • 銀:「無化学肥料減農薬栽培」
  • 銅:「減農薬減化学肥料栽培」

②農薬と化学肥料をできるだけ用いない方法で米づくり
 化学肥料を抑え、土魂壌の汗(有機液肥)による育苗を行っている。

③トレーサビリティへの取り組み
 農林公社・役場・農協と連携した「栽培確認」を行い、集荷・乾燥調製・保管の各段階で品質チェック体制の厳格化を図る。

④消費者との交流
 消費者との合同での活動による、「売り手買い手以上の関係づくり」を目指す。

⑤環境の保全
 農地・水・環境向上対策により、地域をあげた取組を展開しており、環境団体との連携による「田んぼの生き物調査」を実施している。

⑥販売の一本化
 専門家集団による、有利かつ確実な販売方法の確立を図るため、平成19年4月に池田町・公社・農協・担い手組織の共同会社「協同屋」を設立し、そこを基点に販売を行っている。協同屋では、生産者には60㎏当たり2万円を保証し、販売先には60㎏当たり3万円(玄米換算)で販売している。

 生産調整は、町の特産に指定した「そば」の作付を主力に推進しており、生産調整面積の30%近くを占めている。野菜(トマト、きのこ等)も20%近くの作付があるが、池田町の販売ショップ「こっぽい屋」が平成11年7月に福井市内の大型量販店「ベル」内にオープンしてからは販路が確立し、販売を目的にした計画的な生産が進んでいる。
 (注)「こっぽい」とは、池田町の方言で、「有難い」「すばらしい」という意味。

野菜の認証審査(池田町提供) ④食品資源の回収風景(池田町提供)
取組結果

(1)成果

 生産調整は、行政とJAとの連携した推進により100%を達成している。しかし、調整水田や自己保全管理など作付されていない農地が約27%あり、その対策として果樹・花木の植栽を推進している。
 高齢化(高齢化率39.6%)や農業離れによる遊休農地の防止と担い手の育成を図るため、平成6年に町とJAの出資による「(財)池田町農林公社」を設立し、農地の保全と農地の流動化等を行っており、中山間地域直接支払制度や一集落一農場制度を活用して、平成13年度にわいわい農場が、平成14年度に水海集落営農組合が広域の協業組織を立ち上げ、地域一体となった農業生産活動と農地保全を行っている。
 担い手については、認定農業者が12名、集落営農組織が7つ立ち上がっており、全員が担い手として地域農業推進の核となっている。
 農用地の利用集積については、農林公社が管理する農地は70%弱が担い手に集積されているが、一般的には大規模農家の管理する農地は、散在しており、管理や作業効率が悪いため、農地の一層の集積や交換分合が求められている。
 生産調整に係る助成金については、そばの場合、平成21年度までは60千円であったが、平成22年度は、基本額20千円+激変緩和分6千円=26千円となっている。

(2)今後の課題

  • ア.転作作物で作付が一番多いそばの助成金が大幅に下がったので、それに代わる作物を選定する必要がある。
  • イ.助成金体系が複数(農用地利用集積促進助成金、中山間地域等直接支払制度、水田利活用自給力向上事業)あり、推進上、事務処理上煩雑である。
  • ウ.農業従事者の高齢化がすすんでおり、事務処理の簡素化を望む。
  • エ.地域の目では見えなかった、或は見過ごしてきた地域文化を発掘し、発展・活用していく。

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制作・著作 公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構
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