あぶらんど萩地域水田農業推進協議会
萩市地図地域の概要

 あぶらんど萩地域水田農業推進協議会(以下「協議会」という)の管轄する地域は、萩市及び阿武町の行政区域である。管内は山口県の北東部に位置し、西は長門市及び美祢市に、東は山口市に、北東は島根県益田市及び同県鹿足郡津和野町に接している。
 地域は面積が萩市698.79ku、阿武町116.07ku、合計814.86ku、人口(平成22年8月1日現在推計値)は、萩市53.6千人、阿武町3.7千人、合計57.3千人で構成される。
 気候は北浦特有な冬季寡日照地帯であり、温暖な島嶼部、沿岸部及び冷涼な中山間部に大別される。
 北西部は日本海に面し、その海岸は風光明媚でコバルトラインと称され、北長門海岸国定公園となっている。また、山間部は豊富な森林、美しい田園風景を有した自然景観にすぐれた地域である。
 産業別就業人口構成は、平成17年で第一次産業が17.6%で、その内訳は農業12.3%(ウェイト69.9%)、林業0.5%(ウェイト2.8%)、水産業4.8%(ウェイト27.3%)と農業のウェイトが大きく、水産業も比較的高くなっている。
 管内は、山口県における主要な農林業地帯であって、県民食料の生産供給基地であるばかりでなく、米をはじめとして野菜、果実、肉用牛等の良質な農産品の算出地として高い評価を受けている。
 協議会管内の農家戸数(平成17年農林センサス)は約4,250戸、全耕地面積5,643ha、水田面積4,154ha、1戸当たり平均水田面積約0.9ha、平成21年度の水稲作付配分面積は2,496ha、生産調整配分面積1,658ha(転作率:39.9%)である。管内の圃場整備は、かなり進んでおり計画に対しほぼ100%の達成率である(圃場整備の基準区画面積:30a)。
 管内の農業算出額(平成21年度実績)は38億円であり、そのうちベスト3は、1位が米51.5%、2位が野菜23.9%、3位が肉用牛12.3%で、この3つで全体の87.7%を占めている。
 農家の専業・兼業比率(平成17年農林業センサス)については、専業(定年後専業者を含む)が30%、兼業が70%となっている。

田植え(JAあぶらんど萩提供) 棚田(JAあぶらんど萩提供)
大豆の収穫(JAあぶらんど萩提供)
取組内容

(1)体制づくり

 萩市は、昭和7年7月1日に萩町が県内4番目の市として市制施行し、昭和30年3月に、2村(三見、大井)、6島村(大島・相島・櫃島・肥島・羽島・尾島)及び見島村が、萩市に編入合併し、平成17年3月6日に1市2町4村(萩市、田万川町、須佐町、川上村、むつみ村、旭村、福栄村)が対等合併し新制の萩市となり、現在に至っている。
 阿武町は、昭和30年1月に1町2村(奈古町、宇田郷村、福賀村)が合併し阿武町が誕生し現在に至っている。
 なお、平成17年の新制の萩市誕生に際し、阿武町は萩市との合併を検討したが基金の分配方法などで最終的に合併に至らず町制を継続している。
 一方、協議会を構成するJAあぶらんど萩は、平成18年4月1日に2JA(JA萩市、JA山口阿武)が合併して誕生し、現在に至っている。
 「協議会」の会長にはJAあぶらんど萩の代表理事組合長が、副会長には阿武町農業委員会長及び萩阿西地域担い手代表が、2首長と山口県萩農林事務所長は顧問に就任している。
 事務局は、JAあぶらんど萩営農経済部、萩市農政課、阿武町経済課、萩市農業委員会、阿武町農業委員会、山口県萩農林事務所、萩市各総合事務所が業務を分担して担っており、事務局長には総括的な事務局が置かれているJAあぶらんど萩の営農経済部長が就任している。
 また、協議会は、JA、市、町、市及び町の農業委員会、山口県中部農業共済組合、山口県萩農林事務所、生産者代表(阿北地域各ブロック担い手代表、阿中地域各ブロック担い手代表、萩阿西地域各ブロック担い手代表)で構成されている。なお、中国四国農政局山口農政事務所がオブザーバー参加している。

(2)生産面での取組

コープふれあい米稲刈り交流会(JAあぶらんど萩提供) 米の品種別作付比率(平成17年の基準年度)は、コシヒカリ:85.0%、ヒノヒカリ:7.4%、ひとめぼれ他:7.6%となっているが、コシヒカリの作付比率を減らしヒノヒカリ、ひとめぼれに切り替える取組をしており、平成24年度の比率をコシヒカリ:73%(山間部中心)、ヒノヒカリ:19%(沿岸部中心)、ひとめぼれ他:8%(沿岸部中心)を目標としている。販売対策として契約販売を実施し、安定販売を図っている。
 米は県内良質米生産地としての評価が高く、売れるコメづくりを推進したこともあって、生産量の70%をJAが独自販売(全農に販売委託したものを買い取り、地元、九州、広島、沖縄等にJAが直接販売)している。
 野菜は、ほうれん草、トマト、キャベツ、大根、かぼちゃ、ブロッコリー、タマネギ等多品目の生産に取り組んでいる。
 野菜以外の主な転作作物としては、大豆140ha、飼料作物100haが作付されている。

取組結果

(1)成果

 生産調整は、行政とJAとが連携して推進しており、100%達成している。
 担い手については、平成22年4月現在で、戸別経営が143人、うち水稲作付者88人、組織経営が62経営体(内訳:特定農業法人12法人、うち水稲作付法人12法人、農業生産法人14法人、うち水稲作付法人7法人、特定農業団体33団体、うち水稲作付団体33団体、その他任意組織3組織、うち水稲作付組織0組織)合計205経営体が担い手として登録されており、そのうち認定農業者は157経営体(内訳:戸別経営143人=担い手登録者、うち水稲作付者88人、農業生産法人14法人、うち水稲作付法人7法人)が登録され、地域農業推進の核となっている。
 生産調整に係る助成金(産地確立交付金の協議会の設定単価/10a)については、大豆の場合、平成21年度では基本額2千円+生産者支援加算20千円+振興作物加算10千円+担い手加算20千円=52千円と設定したが財源不足のため、48.5千円に減額され、平成22年度(水田利活用自給力向上事業の単価/10a)では、基本額35千円+激変緩和措置13.5千円=48.5千円となっており、前年度の水準を確保している。
 なお、環境は多品種少量生産を可能にしており、転作産物は大豆に集中している。大豆はブランド化に成功しているが、野菜類は生産者の独自販売や消費が可能なレベルの生産数量である。

(2)今後の課題

  • ア.生産者のうち、60歳以上の比率は約82%(平成17年国勢調査)であり、定年退職者の専業農家参入も定着化しつつあるが、更に高齢化がすすんでいるため、更なる集落営農の組織化が必要である。
  • イ.将来を考えると、地域の農業を守る多様な担い手の育成確保が必要であり、地域の核となる生産組織(会社組織の法人)の育成が急務である。
    そのためには、米価水準が年々下落していることから、米だけではなく他の作物(ex.玉ねぎ)との組み合わせによる複合経営体の育成確保が課題である。

2011年度「お米の需給調整システム事例集」 トップへもどる

米ネットトップページへ


制作・著作 公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構
このホームページに掲載の文章・写真・動画像
および音声情報の無断転載・転用を禁じます。