筑西市水田農業推進協議会
筑西市地図地域の概要

 筑西市水田農業推進協議会(以下「協議会」という)の管轄する地域は、筑西市の行政区域と同一である。筑西市は茨城県の西北部に位置する人口約11万人の中核拠点都市、東西約15km、南北約20km、面積約205kuであり、東側に筑波山を望む広大な田園と利根川支流の鬼怒川・小貝川・五行川などの河川が南北に貫流し、そして阿武隈山系につながる丘陵地帯もあり、緑豊かな里山・平地林など、潤いのある自然環境に恵まれている。河川流域には肥沃な水田地帯が開け、地質は川の浸食運搬による沖積層からなり、台地状に広がる畑地帯では関東ローム層に覆われている。東は桜川市に、西は結城市、八千代町及び栃木県小山市に、北は栃木県真岡市(旧二宮町)に、南は下妻市及びつくば市に隣接している。
 このような豊かな土壌や平坦な地形等、恵まれた条件を活かし、加えて、首都圏への近接性などの条件下で都市近郊型の農業が営まれ、作付作物としては米・こだますいか・なし・きゅうり・トマト・メロン等多品目にわたっており、普通作・果樹・施設園芸等バランスの取れた営農体系となっている。米が基幹作物であり、管内の農産物の作付面積のベスト3は、1位が米、2位が麦(小麦、六条大麦、二条大麦)、3位が大豆である。
 平成17年〜18年の農林水産統計年報及び平成17年度の農林業センサスによると、筑西市の水稲作付農家(販売農家)戸数は、4,837戸、水田面積8,594ha、1戸当たり平均水田面積1.8ha、平成21年度の水稲作付面積5,920ha、生産調整面積2,674haで、転作率は31.1%である。
 農家の専業・兼業比率については、専業が約13%、兼業(自給的農家を含む)が約87%となっており、首都圏の中では専業率が比較的高い。
 なお、筑西市は日本一の大神輿と30数基の子ども神輿が渡御する「下館祇園まつり」、小栗判官・安倍清明の伝説の地、真岡線SL列車の始発駅として知られているが、二人の文化勲章受章者「陶芸家の板谷波山(いたやはざん)」、「洋画家の森田茂(もりたしげる)」を輩出した文化の香りが漂うところでもある。

稲穂と筑波山(筑西市提供) 祇園祭(筑西市提供)
下館駅付近を走るSL(筑西市提供)
取組内容

(1)体制づくり

 「筑西市」は、平成17年3月28日に下館市、関城町、明野町及び協和町の1市3町が合併して誕生した。このため、米政策改革の第1ステージ開始年の平成16年には生産調整の推進を任務にしていた「地域協議会」が行政地域毎にそれぞれ4つ設置されていたが、合併を機に平成17年4月以降、第2ステージに対応するとともに1つの地域協議会に統合され、市役所の一角に事務所を設置(ワンフロア化)して、新規にスタートさせた。事務局体制は市役所職員10名とJA職員6名で組織され、計16名が関係業務を分担するなど質量とも全国有数の規模を誇っている。
 協議会を管轄する「JA北つくば」は平成5年に2市4町1村(旧下館市、結城市、旧明野町、旧協和町、旧関城町、旧真壁町、旧大和村)の各JAが合併して誕生した。その後、平成18年に旧岩瀬町農協が加わり、筑西市、桜川市、結城市の3市にまたがる広域農協である。このため、「JA北つくば」管内には3つの地域協議会が存在し、当面継続する見込みである。
 「協議会」の会長には筑西市の市長が、副会長にはJA北つくばの代表理事理事長が就任している。事務局は、協議会専用事務所を筑西市役所スピカ分庁舎内に置き、筑西市役所経済部水田農業振興課及びJA北つくばの担当部署が連携して担っており、事務局長には、筑西市役所経済部長が就任している。
 なお、協議会は、市、市議会、JA、農業委員会、農業共済組合、土地改良区、集荷業者代表、担い手代表、自治会連合会代表、関東農政局茨城農政事務所、茨城県西農林事務所で構成されている。
 (注) 茨城農政事務所筑西統計・情報センターは、オブザーバーとして参加している。

(2)生産面での取組

なし園にて(筑西市提供) 協議会管内の農業生産は平成21年度の作付面積ベースで米6,070ha(63.3%)を基幹に、麦(小麦、六条・二条大麦)1,566ha(16.3%)、大豆1,038ha(10.8%)、そば266ha(2.8%)、トマト163ha(1.7%)、こだますいか109ha(1.1%)、その他(ソルガム、飼料作物・発酵飼料用稲、花き、なし、きゅうり、イチゴ他)384ha(4.0%)で構成され、従来からの畑作作物と転作品目が交錯している。
 米の作付品種は、コシヒカリ、ゆめひたち、あさひの夢、あきたこまち、ミルキークイーン、キヌヒカリ、もち米等多品種が作付されているが、95%以上はコシヒカリである。
 なお、最近は消費者を重視した「買ってもらえる米づくり」への転換を目指しており、茨城県全体で取り組んでいる「いばらき高品質米生産運動」「エコ農業」の普及・定着を推進するとともに、減農薬・減化学肥料による特別栽培米等の地域ブランド化を図っている。
 さらには、土地利用型農業の活性化を図ることにしており、転作作物としては、麦(小麦、六条大麦、二条大麦)、大豆は米の生産調整による重要な転作として「麦+大豆」の作付体系で「集団転作(団地化)」と「ブロックローテーション」の下に普及拡大を図っている。
 その他の作物としては、そば、ソルガム(地力増進作物)、飼料作物・発酵飼料用稲、花き、トマト、こだますいか等が作付されている。

取組結果

(1)成果

 生産調整は、行政とJAとの連携した推進により106.4%を達成している。担い手については、集落数438の中、平成21年度現在、認定農業者603経営体(土地利用型は385経営体)、集落営農組織25組合がリストアップされており、管内の農業生産の主翼を担っている。
 また、土地利用型農業による発展を目指す意欲ある農業者に対しては、農業経営基盤強化促進法、その他の措置を総合的に行い、農地の貸し手と借り手にかかる情報の一元把握のもとに利用権設定等をすすめるとともに、集団的な土地利用調整を全市的に展開し、集落営農組織の拡大・集積を図っており、担い手への土地利用集積は、平成21年度で39%まで進展しており、平成22年度では、水田利活用自給率向上事業の推進により捨てづくり防止、不作付水田(調整水田・自己保全管理)の解消に努めている。
 さらに、平成22年度は、水田利活用自給率向上事業と茨城県における激変緩和措置を活用し以下の表のように交付単価を設定した。

作 物 単価(10a当たり) 経営所得安定対策助成
麦(小麦、二条・六条大麦) 37,000円 40,000円
大豆 36,000円 27,000円
飼料作物 35,000円
新規需要米(米粉用、WCS等) 80,000円
そば・なたね・加工用米 20,000円
その他作物(豆類) 15,000円
   〃   (果樹) 10,000円
   〃   (地力増進作物) 8,000円
   〃   (野菜・花き・種苗類) 8,000円
二毛作助成 15,000円

(2)今後の課題

  • ア.専業者は全体の約13%であり、地域農業の担い手となっているが、農産物の価格低迷による経営の圧迫等厳しい状況もあって、高齢化や耕作放棄地の増加が進んでおり、数年後の担い手確保が課題となっている。
  • イ.担い手農家への土地の集積は一定の割合で進んでいる。しかし、現在の土地集積は面積拡大傾向にはあるものの、点在部分が多く、今後は効率的な土地の集積が課題である(これには土地の良し悪しや小作料の違いも要因の1つに上げられる)。
  • ウ.戸別所得補償制度が来年どうなるか不透明なところもあり、農家対応が喫緊の課題である。

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制作・著作 公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構
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