安城市地域水田農業推進協議会
安城市地図地域の概要

 安城市地域水田農業推進協議会(以下「協議会」という)の管轄する地域は、安城市の行政区域である。安城市は愛知県のほぼ中央に位置し、東は岡崎市に、西は知立市、刈谷市、高浜市、碧南市に、北は豊田市に、南は西尾市に接している。面積は86.01ku、人口は179千人(平成22年1月1日現在推計値)である。地域は名古屋から30kmにあり、周辺の工業地域に隣接する自動車工業に関連する機械工業が盛んである。
 気候は県内の他市に比べて、夏は暑く最高気温が40.0℃(1994年8月5日)、冬は冷え込み最低気温が-7.5℃(1977年1月24日)と典型的な内陸型の気候である。地域内の高低差が小さいのも特徴である。
 明治時代の明治用水の開通により、大規模な開墾が行われ、農業の先進的な取り組みが行われたことから、1920年代から1930年代にかけて、農業先進国デンマークに譬えて「日本デンマーク」と呼ばれ、現在は代表的な都市近郊農業が営まれている。水田のアート(安城市提供)
 協議会管内の総農家戸数は2,681戸、内販売農家戸数は1,819戸である。平成18年における全耕地面積3,880ha、水田面積3,240ha、1戸当たり平均水田面積約1.2haである。販売農家の専業・兼業比率については、専業が15.5%、兼業が84.5%となっている。
 平成21年度の水稲作付面積は1,787ha、生産調整実施面積1,358ha(転作率:43.2%)である。管内の圃場整備は、早期(明治用水の完成時)より取り組まれ、99%の農地が整備済みであり、現在は農地の大規模区画化(2ha又は3ha)による再整備が進められている(圃場整備の基準区画面積:30a)。
 管内の農業生産額(平成18年度農林統計)は約97億円であり、米、麦、大豆、を中心に、果樹、花き、野菜、畜産も盛んで、特に梨、イチジク、きゅうり等園芸作物については、栽培面積、品質とも県下のトップレベルにある。

取組内容

(1)体制づくり

小麦の収穫作業(安城市提供) 安城市は、昭和27年5月に碧海郡安城町が市制を施行し安城市となり、昭和30年4月に碧海郡明治村のうち大字東端、根崎、榎前、和泉、城ケ入及び石井の区域、及び衣佐美村のうち大字井杭山、二本木及び高棚の区域を編入、昭和35年1月に岡崎市の一部(宇頭西地区、河野町)を編入、昭和42年4月に碧海郡桜井町を編入し、現在の安城市となった。
 一方、協議会を構成するJAあいち中央は、平成8年4月に5JA(JA碧南市、JA刈谷市、JA安城市、JA高浜市、JA知立市)の合併で誕生し、現在に至っている。
 「協議会」の会長には安城市の副市長が、副会長にはJAあいち中央の経済担当常務理事が就任している。
 事務局は、安城市産業振興部農務課とJAあいち中央農業振興部営農企画課が業務を分担して担っており、事務局長には安城市の農務課長が就任しており、事務局員は市と農協が担当している。
 また、協議会は、市、JA、農用地利用改善組合、農業委員会、土地改良区、農業共済組合、生産者代表(JA営農部会の代表)で構成されている。
 なお、東海農政局地域第三課、東海農政局岡崎統計・情報センター、愛知県西三河農林事務所改良普及課がオブザーバー参加している。

(2)生産面での取組

 米の品種別作付比率(平成21年度実績)は、コシヒカリ:約50%、あいちのかおりSBL:約40%、その他:約10%となっており、品種別団地化が推進されている。
 麦(小麦)は、水田転換作物として振興が図られ、ほとんどが水田で集団転作により栽培されており、作付面積1,080haは県下第1位である。品種は「農林61号」、「イワイノダイチ」が作付されている。
 大豆は、麦の後作として定着し、農地の有効利用が図られており、作付面積1,020haは県下第1位である。品種は「フクユタカ」が作付されている。
 農地の利用については、昭和56年頃から集落ごとに順次結成された農地利用改善組合を中心に農地の高度利用を地域ぐるみで進めており、更には農協による農地保有合理化事業による効率的な土地利用が図られている。農地の流動化の状況(利用権設定状況)は、平成21年1月時点で、42.7%に達しており、高齢化に伴い今後も農地の貸し手が多くなることが予想される。麦・大豆の販売先は一括して経済連にしている。大豆の収穫作業(安城市提供)
 野菜は、きゅうり、いちご、チンゲン菜、露地野菜(ほうれん草、大根、白菜、キャベツ等)が栽培されており、きゅうりは「三河みどり」のブランド名で地元中京市場へ出荷されている。
 果樹は、主に梨、いちじく、ぶどうが栽培されており、梨は「安城なし」のブランド名で「幸水」、「豊水」、「新高」、「愛甘水(新品種)」が栽培され、県下有数の産地となっている。
 また、いちじくは、昭和46年頃の転作を契機に作り易さと収益性から急速に作付が拡大し、隣接の碧南市とで日本一の産地となっている。なお、いちじくは昭和60年頃から加工への取組が始まり、ジャム、ワイン、糖果菓子等に製品化されている。
 花きは、施設花きが盛んであり、鉢もの類では全国でもトップクラスの生産を誇り、観葉植物、洋らん、シクラメン等が生産され、切り花としては菊を中心に、バラ等が生産されている。

取組結果

(1)成果

安城産業文化公園デンパーク(安城市提供) 生産調整は、行政とJAが連携して推進しており、100%達成している。
 集落数は79で集落営農は38で組織化されている。担い手については、平成22年1月現在で、認定農業者が179人(うち法人経営:9法人)、内訳:単一経営98人(うち法人経営:8法人)、複合経営81人(うち法人経営:1法人))が登録され、そのうち80人(うち法人経営:6法人)が担い手リストに登録されており、地域農業推進の核となっている。
 生産調整に係る助成金(産地確立交付金の協議会の設定単価/10a)については、麦(担い手で大豆との二毛作)の場合、平成21年度では60千円(地権者40千円+作付者20千円)と設定されていたが、平成22年度(水田利活用自給力向上事業の単価/10a及び激変緩和措置)では、基本額35千円+激変緩和措置10千円+二毛作加算15千円=60千円となっており、前年度の水準を確保している。

(2)今後の課題

  • ア.TPP対応を含めて、日本農業の将来がどうなるのか不安である。補助金を含め、担い手が農業を続けられるような対策を講じて欲しい。
  • イ.圃場整備を行ったのが古く、用水路等の再整備が必要となっている。
  • ウ.生産調整は担い手が中心となって集落単位で行って来たが、担い手がいない集落では、受け皿となる法人組織の設置と後継者の育成が課題である。

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制作・著作 公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構
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