家で作る弁当のほか、コンビニエンスストアや町の弁当屋さん、駅で売られている駅弁など、ごはんとおかずをつめ合わせた弁当は、外出先などで食べるのに便利なごはん料理です。


お弁当の歴史
●昔のお弁当は「干し飯(ほしいい)」
昔から持ち歩くのに便利な食品として貴重だったのが「干し飯」です。米をむしたり、煮たりしてごはんにし、これを日にほして、かんそうさせたもので、食べるときに水やお湯につけてやわらかくします。水がなくても、よくかめば、そのままでも食べられます。戦国時代の軍隊の移動の時や旅人には欠かせませんでした。麻のふくろに入れて持ち歩きました。
●「弁当」という器が生まれたのは安土桃山時代
弁当箱という容器が生まれたのは安土桃山時代です。当時の絵にも弁当をひろげてお花見をする様子がえがかれています。江戸時代には重箱や、中に仕切りのある折りづめのような弁当箱も登場し,花見、舟遊び、ひな祭りなどの時の料理やつめ方を教えたテキストブックも出版されました。
●手軽な「腰弁当」
手軽な弁当といえば、旅の時の腰弁当。おにぎりを竹の皮で包んだり、やなぎの枝の皮を取り除いて編んで作った弁当入れにごはんをつめ、ふろしきに包んで肩や腰にかけました。今の駅弁は、この腰弁当から発達したものです。
●「幕の内弁当」
江戸時代の中ごろ、芝居を見に行くときには、おにぎりに玉子焼きや焼きどうふ、野菜の煮つけなどのおかずを重箱につめて持って行き、休けい時間(幕間)に食べたので、この弁当のことを「幕の内」とよびました。幕の内形式の駅弁は1888年に当時の山陽鉄道(現在の山陽本線)で売られたのがはじめです。また、駅弁の「すし」は1890年に現在の東北本線の一ノ関駅で売られたのがはじめです。


おいしい作り方
●「ヘルシーな弁当」を作ってみよう!
弁当箱につめた弁当の長所は、全体の食べ物の量やエネルギー量、栄養素のバランスが分かりやすいことです。

(1) 初めに弁当箱の大きさを決めます
例えば、小学校高学年の女子が、1日にとらなければならないエネルギー量の約3分の1の量(1食の量)に当たる700キロカロリーの弁当を作りたいときは、700ミリリットルぐらいの弁当箱を用意します。
(2) 弁当箱に料理をつめるときは、しっかりとつめます。
弁当箱に料理をつめるときは、ぎゅうぎゅうにつめるのではなく、また、すき間が多くできるのでもなく、ふっくらと、ごはんがつぶれないでおいしく食べられるよう、他の料理が動かないようにつめます。
(3) 弁当箱につめる料理の量の割合は、弁当箱の表面の面積の比率で決めます
主食(ごはん)3         
主菜(魚、肉、卵、だいずなど)1 
副菜(野菜類、いも類)2
の比率にします。     
そして、赤、緑、黄色などいろどり豊かなお弁当に仕上げます。これで、食事全体のエネルギーや栄養素のバランスがとれます。
ワンポイント豆知識
主食のごはんを特に“白いごはん”にして調理法や味付けの異なった主菜と副菜を組み合わせると、味のバランスがとれ、おいしい弁当ができます。主食のごはんが3以下になると、主菜の量が多くなりがちで、しぼうの量も多く、エネルギー量の多い食事パターンになるので注意しましょう。